報告書番号 | MA2019-10 |
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発生年月日 | 2018年10月22日 |
事故等種類 | 衝突(単) |
事故等名 | 貨物船ERNA OLDENDORFF衝突(橋梁) |
発生場所 | 山口県大畠瀬戸に架かる大島大橋 大磯灯台から真方位058°875m付近 |
管轄部署 | 事務局 |
人の死傷 | |
船舶種類 | 貨物船 |
総トン数 | 10000~30000t未満 |
報告書(PDF) | 公表/説明資料 |
公表年月日 | 2019年10月31日 |
概要 | 貨物船ERNA OLDENDORFFは、船長及び二等航海士ほか19人が乗り組み、広島県江田島市の私設バースに向けて大畠瀬戸を東進中、平成30年10月22日00時27分ごろ大島大橋に衝突した。 ERNA OLDENDORFFは、4基のクレーンのうち3基に凹損等を、後部マストに曲損をそれぞれ生じたが、死傷者はいなかった。 大島大橋は、橋桁に亀裂、凹損等を生じ、橋桁の下に設置されていた検査通路が脱落するとともに送水管が破断し、山口県周防大島町のほぼ全域において約40日間の断水を生じたほか、電力ケーブル、通信ケーブルの破断等を生じた。 |
原因 | 本事故は、夜間、ERNA OLDENDORFFが、大畠瀬戸を東進中、同船の‘本事故当時の喫水線からクレーン及び後部マストそれぞれの頂部までの高さ’(クレーン及びマストの高さ)では通過できない大島大橋の下を航行したため、同橋に衝突したものと考えられる。 ERNA OLDENDORFFが同船のクレーン及びマストの高さでは通過できない大島大橋の下を航行したのは、ERNA OLDENDORFFの船長が、同橋の高さを把握することなく二等航海士が作成した温山から大畠瀬戸を経由して江田島に向かうルートを航行する航海計画を承認し、同橋の手前でその高さに不安を感じながらも航行を続けたことによるものと考えられる。 ERNA OLDENDORFFの船長が、大島大橋の高さを把握することなく二等航海士が作成した温山から大畠瀬戸を経由して江田島に向かうルートを航行する航海計画を承認したのは、前任の船長が同ルートを確認していると思い、同ルートの詳細を確認しなかったことによるものと考えられる。 ERNA OLDENDORFFの船長が、大島大橋の手前でその高さに不安を感じながらも航行を続けたのは、二等航海士に同橋の高さを確認するよう指示してその報告を待っていたこと、また、ERNA OLDENDORFFが笠佐島西方で右転した後、航路幅が狭まる中、西流を受けて陸岸への圧流を懸念したことによるものと考えられる。 OLDENDORFF Carriers GmbH & Co.KGの安全管理マニュアル等により定められた航海計画の作成等に関する手順を遵守することの重要性がERNA OLDENDORFFの船長及び二等航海士に十分に認識されていなかったことは、本事故の発生に関与した可能性があると考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見 | 安全勧告 |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。