報告書番号 | RA2018-5-1 |
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発生年月日 | 2017年02月23日 |
区分 | 鉄道 |
発生場所 | 室蘭線 北入江信号場構内[北海道虻田郡洞爺湖町] |
事業者区分 | 貨物鉄道 |
事業者名 | 日本貨物鉄道株式会社 (法人番号 7011001068366) |
事故等種類 | 列車脱線事故 |
踏切区分 | |
人の死傷 | |
都道府県 | 北海道 |
報告書(PDF) | 公表/説明資料 |
公表年月日 | 2018年07月26日 |
概要 | 日本貨物鉄道株式会社の隅田川駅発札幌貨物ターミナル駅行き19両編成の下り高速貨第3055列車は、平成29年2月23日(木)、五稜郭駅を定刻(1時10分)に出発した。同列車の運転士は、北入江信号場構内を速度約54km/hで走行中、異常な振動を感じたため、非常ブレーキにより列車を停止させ、防護無線を発報した。輸送指令にその旨を報告し、車両を確認したところ、1両目(以下、車両は前から数え、前後左右は列車の進行方向を基準とする。)の機関車の前台車、中間台車及び後台車の全6軸のうち、第5軸及び第6軸が進行方向右側に脱線していることを認めたため、指令に報告した。 列車には、運転士1名が乗車していたが、負傷はなかった。 |
原因 | 本事故は、貨物列車の1両目の機関車において、後台車の中心ピンとけん引装置を締結する取付ボルト2本が走行中に脱落してけん引装置が垂下したため、次のような経過により後台車の全車軸(第5軸及び第6軸)が脱線したことによるものと考えられる。 (1) けん引装置が入江町踏切道の左ガードレールに衝撃して左側のけん引リンクが折損した。 (2) 折損後、更に垂下したけん引装置が北入江信号場構内の分岐器のリードレールに衝撃したことにより、けん引装置に右方向の力が作用して、後台車の全車軸(第5軸及び第6軸)の車輪が右側に脱線した。 けん引装置の取付ボルトが脱落したことについては、重要部検査での車体と台車の結合作業において、取付ボルトを所定のトルク値で締め付けずに仮締め状態で作業を終了し、その後の走行による振動等によりボルトの緩みが進行したことによる可能性があると考えられる。 取付ボルトを所定のトルク値で締め付けずに作業を終了したことについては、作業者の役割分担や作業手順が明確でない状況で作業が行われたこと等により、トルクレンチによるボルト締付け作業及び締結状態の確認が行われなかった可能性があると考えられる。 また、目視での緩みの検出を容易にする合いマーク等の方策はとられていなかったこと、及びボルトに荷重が作用しており緩みによる打音の変化が捉えにくい箇所であったことが関与して、仕業検査及び交番検査において、ボルトの緩みを検出できなかった可能性があると考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見(建議) | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |