JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2015-11
発生年月日 2014年12月05日
事故等種類 衝突
事故等名 貨物船第百八十八鳳生丸作業船明祐10バージSK-317衝突
発生場所 宮城県仙台塩釜港塩釜区の航路  塩釜漁港東防波堤灯台から真方位102°750m付近
管轄部署 仙台事務所
人の死傷 負傷
船舶種類 貨物船:作業船:非自航船
総トン数 200~500t未満:5t未満:200~500t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2015年10月29日
概要  A船は、船長A、航海士A1及び航海士A2ほか3人が乗り組み、仙台塩釜港塩釜第2区の東宮ふ頭桟橋で揚げ荷役を終えて出航し、船長Aが単独の船橋当直につき、約10ノット(kn)の速力(対地速力、以下同じ。)で手動操舵により塩釜区の航路(以下「本件航路」という。)に入り、東進した。
 船長Aは、本件航路に入った頃、塩釜第5号灯浮標付近にバージを横抱きにして反航してくる作業船(以下「第三船」という。)及びその後方に2隻の巻き網漁船を認め、それらに注意しながら本件航路に沿って東進した。
 A船は、塩釜第7号灯浮標付近で出港作業を終えた航海士A1及び航海士A2が昇橋して間もなく、船長Aが、航海士A1から船がすぐ前にいる旨の声を聞いて船首至近のB船に気付き、左舵一杯を取り、機関を全速力後進とし、スラスタを左一杯にして汽笛で長音を連続に鳴らしたものの、平成26年12月5日10時40分ごろA船の船首とB船の船尾とが衝突した。
 A船は、ボートを降ろしてB船押船列乗組員の安否及び損傷状況を確認した後、海上保安庁の指示で東宮ふ頭桟橋に着桟した。
 B船は、船長B、甲板員B1及び甲板員B2が乗り組み、砕石約200tを積載したC船の船尾にB船の船首を結合して押船列(以下「B船押船列」という。)を構成し、船長Bが単独で操船に当たり、約3~4knの速力で手動操舵により、本件航路に沿って東進した。
 船長Bは、塩釜第3号灯浮標付近に第三船を認めた後、塩釜第7号灯浮標付近を航行中、塩釜信号所から携帯電話に着信があり、機関音で通話が困難なため、機関の回転数を下げて約1knに減速して応じたところ、本件航路の屈曲部で第三船と行き会わないよう連絡を受け、第三船が通過するまで、減速した状態で本件航路の右端に寄せて航行することとした。
 船長Bは、着信があった頃、右舷船尾方の貞山ふ頭沖にA船を認め、A船及び第三船の動向に注意しながら航行を続けた。
 船長Bは、船尾方から接近するA船に対して汽笛を短音で3、4回鳴らしたものの更に接近したので、衝突の危険を感じ、操舵位置を離れてC船に乗り移り、船倉に飛び込んだ頃、衝突の衝撃を感じた。
 甲板員B1及び甲板員B2は、C船の船首側の甲板上に立って後方を向き、A船に向かって手を振って合図を送っていたところ、衝突の危険を感じてハッチコーミングにつかまったが、衝突の衝撃で船倉内に転落した。
 船長Bは、乗組員の安否及び損傷状況を確認し、海上保安庁に通報した後、B船の機関室に浸水していたので、僚船に救助を要請し、自力航行して本件航路を引き返していたところ、来援した僚船にC船を託した。
 B船は、単独で航行して塩釜第1区の起重機船に接舷し、同起重機船上に吊り上げられた。
 甲板員B1は、帰港後、病院に赴き、右大腿挫傷と診断された。
原因  本事故は、本件航路において、A船及びB船押船列が共に東進中、船長Aが、船首死角が生じている状況下、見張りを適切に行っていなかったため、B船押船列に気付かずに航行し、両船が衝突したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 負傷:1人(明祐10甲板員)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。