
| 報告書番号 | MA2014-10 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2014年02月16日 |
| 事故等種類 | 乗揚 |
| 事故等名 | 砕氷艦しらせ乗揚 |
| 発生場所 | 南極大陸マラジョージナヤ基地北方沖 南極大陸マラジョージナヤ基地付近の海岸レーダー局から真方位348゜1,400m付近 |
| 管轄部署 | 神戸事務所 |
| 人の死傷 | |
| 船舶種類 | 公用船 |
| 総トン数 | 10000~30000t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2014年10月30日 |
| 概要 | 本艦は、艦長及び航海長ほか172人が乗り組み、南極観測隊員66人を乗せ、日本への帰途につくため、南極大陸昭和基地を離岸し、昭和基地北北西方沖で海洋観測を行った後、平成26年2月14日にロシア連邦が管理するマラジョージナヤ基地(以下「マ基地」という。)北北西方沖約4海里の所に移動して氷中にとどまった。 本艦は、将来、マ基地周辺に接岸して物資の陸揚げを行う可能性があり、15日に南極観測隊員をヘリコプターにより、マ基地周辺に上陸させて状況調査を行った後、マ基地北方沖から沿岸部の状況を確認することにした。 艦長は、16日06時50分ごろ、艦橋前部中央部に立った航海長を当直者として操艦に当たらせ、副直者等の乗組員10人を各機器類の担当に就かせ、艦橋右舷側の椅子に腰を掛けて操艦の指揮に当たって東進を開始した。 艦長は、07時00分ごろ、昇橋した副長を在橋させ、氷厚さ約1m以下の海域での連続砕氷航行を始め、機関を暖機運転として両舷前進原速力とし、約9ノット(kn)の速力(対地速力、以下同じ。)で前路の氷片を避け、電子海図情報表示システム(以下「ECDIS」という。)のモニター上の予定針路線を見ながら南東進した後、マ基地北方沖に向けて南西進していた。 艦長は、07時24分ごろ艦首方に認めた数個の氷片域を避けて針路を左に転じた後、予定針路線を横切って南南西進し、艦位が予定針路線の南方に外れていることが分かったが、氷状に応じた針路としながら、マ基地中央部が視認できる場所に向かうことにし、西南西進した。 艦長は、07時31分ごろ、機関を停止させ、マ基地沿岸部を見渡した後、予定針路線に戻ろうとしたが、次の変針点に向けて北進することが本艦の運動性能上、困難であったので、一つ先の変針点に向けることにし、07時35分ごろ、再び発進し、機関を前進微速力、更に前進原速力として航行していたところ、マルチビーム測深機の測深データを読んでいた副直者が、水深が20m、続いて19mである旨の報告を行った。 航海長は、07時39分ごろ艦長の了解を得て機関を前進半速力とし、真方位約243゜の対地針路、約9knの速力で西南西進中、07時40分ごろ、本艦は、砕氷のための氷への衝突とは異なる衝撃及び金属音とともに、船体が停止し、浅所に乗り揚げた。 航海長は、直ちに機関停止を指示し、艦長が、乗組員を防水部署に配置した。 本艦は、水中カメラを使用して船底部の損傷及び乗揚状況を確認した後、搭載する燃料及び清水を移動させてトリムの調整を行い、2月16日午後及び17日の2回の満潮時に離礁を試みたものの、離礁できず、18日07時19分ごろ4回目の離礁作業によって離礁した。 本艦は、第2空所等に浸水を認めたものの、航行に支障がないことを確認した後、他の海域で海洋観測を実施し、オーストラリア連邦シドニー港でダイバーによる損傷状況の確認を行い、4月7日京浜港東京区に帰った。 本艦が乗り揚げた場所は、マ基地北北西方沖約1,200mに位置する島(島頂部の標高4m、島名なし)の北東方沖約280mであり、水深20mの等深線の外側にある水深が約8mの暗岩であった。 |
| 原因 | 本事故は、本艦が、南極大陸マ基地北方沖において、艦位が予定針路線の南方に外れていることが分かった後、機関を停止してマ基地中央部を見渡し、再び発進した際、海図写及び本艦ENCに暗岩を示す記載がなかったため、予定針路線に戻そうとして連続砕氷を行って西南西進していたところ、暗岩に向けて航行することとなり、暗岩に乗り揚げたことにより発生したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | なし |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。