JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2014-2
発生年月日 2012年11月26日
事故等種類 衝突
事故等名 漁船大福丸漁船正徳丸衝突
発生場所 福岡県福岡市博多港第3区  博多港西防波堤南灯台から真方位300°800m付近
管轄部署 門司事務所
人の死傷 負傷
船舶種類 漁船:漁船
総トン数 5~20t未満:5t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2014年02月28日
概要  A船は、船長A及び同僚の漁業者が乗り組み、法定灯火を表示し、福岡市小呂島に向け、福岡市博多漁港及び博多港西防波堤の内側(東側)を約12ノット(kn)の速力(対地速力、以下同じ。)で航行した。
 船長Aは、小雨が降って視界が悪いので、ふだんの出入港時には0.75~1.5海里(M)レンジとするレーダーを3Mレンジとし、遠方から接近する船舶を把握しようと思い、時折、画面に視線を向けたが、画面には雨雲と思われる映像が映るので、主に目視で見張りを行い、博多港西防波堤南端とその南方にある博多港西公園下防波堤北端との間の水路(以下「防波堤入口」という。)に向首した後、約22knに増速して西北西進した。
 船長Aは、増速してから約1分後、船首方約10mにB船の紅灯を認めたので、直ちに機関を停止して右舵を取ったが、平成24年11月26日04時00分ごろ、博多港西防波堤南灯台から真方位300°800m付近において、A船船首部がB船左舷船体中央部付近に衝突し、A船はB船を乗り切った。
 B船は、船長Bが1人で乗り組み、法定灯火を表示し、博多港西防波堤西方を防波堤入口の南側に向けて約11knの速力で東南東進中、船長Bは、臨海部の灯りで船舶の灯火が見えにくいことが多いので、1.5Mレンジにしたレーダー画面を数度見たが、接近して来る船舶らしき映像を認めなかったので、前方に視線を向けたところ、船首方に白灯を認め、A船が接近して来たことを知った。
 船長Bは、A船を避けようとし、針路を右に2回、それぞれ約10°転じたが、A船の舷灯が見えず、A船の動静が不明のうち、A船が至近に迫ったので、大きく右舵を取り、増速して避けようと思い、スロットルレバーに手をかけた直後、B船の左舷中央部とA船の船首部とが衝突し、船長Bは操舵室右舷側に飛ばされて意識を失い、B船は、機関が前進の状態であり、衝突場所付近において、低速で右旋回を始めた。
 船長Aは、停止した機関を起動しようとしたが、異音がしたので、自力航行できないと思い、本事故発生場所をGPSプロッターに入力し、無線電話で僚船に事故の発生及び救援の依頼の連絡を行い、僚船が来援してB船に横着けした後、B船の機関を止めて停船させるとともに、船長Bの救助を行った。
 船長Bは、僚船により、博多漁港まで運ばれ、待機していた救急車に引き継がれて病院に搬送され、全身打撲、顔面、左第三指及び第四指の挫創並びに脳しんとうとの診断を受けたが、後日、転院先の病院で眼窩内側壁骨折及び左肩胛骨骨折の診断を受け、平成24年末まで入院した。
 A船及びB船は、それぞれ僚船によって福岡市唐泊漁港にえい航され、損傷状況調査のために上架された。
原因  本事故は、夜間、博多港第3区において、降雨で視界が悪い状況下、A船が西北西進中、B船が東南東進中、船長Aが、レーダー画面では生じた雨雲により、船舶の映像の識別が困難な状況であり、主に目視で見張りを行っており、また、船長Bが、船首方から接近するA船の白灯を認めて針路を右に約20°転じたものの、A船の動静把握ができなかったため、両船が衝突したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 負傷:1人(正徳丸船長)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。