JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2021-8
発生年月日 2020年01月09日
事故等種類 死傷等
事故等名 海底広域研究船かいめい乗組員負傷
発生場所 神奈川県横須賀市横須賀港第3区の専用岸壁  横須賀港東防波堤北灯台から真方位228°1,610m付近
管轄部署 横浜事務所
人の死傷 負傷
船舶種類 その他
総トン数 5000~10000t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2021年08月26日
概要  海底広域研究船かいめいは、着岸中、海底掘削装置のケーブルの引き出し作業中にC甲板上で作業をしていた甲板員1人が上甲板に落下して重傷を負った。
原因  本事故は、海底広域研究船かいめいが横須賀港第3区の専用岸壁に着岸中、C甲板上船尾側端に設置された落下防止柵の一部が取り外された状態で、ケーブルグリップ(本件グリップ)とウインチ室の海底設置型掘削装置(BMS)ケーブルウインチ(BMSウインチ)に巻き込んだ‘海底資源の映像送信及び同装置駆動用のケーブル’(本件ケーブル)を接続して本件ケーブルの引き出し作業(本件作業)が行われた際、本件グリップが本件ケーブルから外れて‘約20mmのナイロンロープ’(本件ロープ)が跳ね返ったため、本件ロープの付近に立っていた甲板員が後ずさりして‘C甲板上船尾側端に設置された落下防止柵から4本の落下防止ワイヤーの内、一番上の1本’(本件落下防止ワイヤー)を乗り越えて上甲板に落下したことにより発生したものと考えられる。
 本件グリップが本件ケーブルから外れたのは、本件ケーブルの端末がC甲板上のシーブを通過した際、本件ロープによって引かれる方向が垂直から水平に変わったことにより本件ケーブルと本件グリップとの接触面に掛かる荷重が不均一となり、さらに本件ケーブルが弛んでいる状態となって本件グリップに張力が掛からなくなったことによる可能性があると考えられる。
 C甲板上船尾側端に設置された落下防止柵の一部が取り外されたのは、かいめいにおいて、鉄枠及び落下防止ワイヤー3本が本件作業の障害になるおそれがあると判断されたことによるものと推定される。
 C甲板上船尾側端付近で本件ロープの付近に立っていた甲板員が上甲板に落下したのは、同船尾側端付近において、落下防止のための装備が本件落下防止ワイヤーのみであったこと、並びにかいめい及び日本海洋事業株式会社において、本件作業が高所作業という認識はなく、本件作業で墜落制止用器具を使用していなかったことによるものと考えられる。
 本件グリップと本件ケーブルを接続して本件作業が行われたのは、かいめい及び日本海洋事業株式会社において、本件グリップを他の運航船舶と同じようにかいめいにおいても使用できるという認識であり、本件グリップが外れる可能性があることが想定されていなかったことによるものと考えられる。
死傷者数 負傷:甲板員(海底広域研究船かいめい)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。