報告書番号 | MA2023-1 |
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発生年月日 | 2020年11月19日 |
事故等種類 | 乗揚 |
事故等名 | 旅客船Shrimp of Art乗揚 |
発生場所 | 香川県坂出市羽佐島北西方沖 櫃石港4号防波堤灯台から真方位177°1.1海里付近 |
管轄部署 | 事務局 |
人の死傷 | 負傷 |
船舶種類 | 旅客船 |
総トン数 | 5~20t未満 |
報告書(PDF) | 公表/説明資料 |
公表年月日 | 2023年01月19日 |
概要 | 旅客船Shrimp of Artは、船長及び甲板員1人が乗り組み、旅客60人を乗せ、香川県坂出市羽佐島北西方沖を航行中、令和2年11月19日16時36分ごろ、干出岩に乗り揚げた。 Shrimp of Artは、旅客4人が負傷し、船底外板の破口等を生じて浸水した後、沈没した。 |
原因 | 本事故は、羽佐島西方沖において、Shrimp of Artが下津井瀬戸に向けて北北西進中、船長が、旅客の教員が児童に対して岩黒島の東側の様子について説明しているのを聞き、旅客が岩黒島の東側を見学できた方がよいと思い付き、岩黒島東方沖へ直行できるよう、目視により岩黒島側から数えて3番目と4番目の橋脚間に他船がいないのを確認し、Shrimp of Artが航行するのに支障はないと考え、同橋脚間を通過しようとしたため、同橋脚間の南寄りにあったオソワイと称する最低水面からの高さ約200cmの干出岩の存在に気付かず、同干出岩に乗り揚げたものと推定される。 船長が、オソワイと称する最低水面からの高さ約200cmの干出岩の存在に気付かなかったのは、進路確認の目的でGPSプロッター画面を一瞬見たとき、画面を300m縮尺スケールの状態から拡大表示して確認することはせず、同干出岩の画面表示が小さかったこと、及び本事故発生当時は同干出岩が水面下にあり目視できない状態であったことによるものと考えられる。 船長が、本事故当日の運航がふだん海上タクシー等で航行している海域ではなかったものの、本事故発生海域を過去に年に数回航行した経験があり、岩礁等も把握できていると思い、発航前に水路調査を行っていなかったことは、船長がオソワイと称する最低水面からの高さ約200cmの干出岩の存在に気付かなかったことに関与したものと考えられる。 株式会社高松海上タクシーが安全管理規程に規定されている基準経路、避険線その他必要と認める事項を記入した海図を本船に備え付けていなかったこと並びに安全統括管理者が安全管理規程及び関係法令に関する安全教育を定期的に実施していなかったことは、船長が発航前に水路調査を行っていなかったことに関与したものと考えられる。 |
死傷者数 | 負傷:旅客4人(旅客船Shrimp of Art) |
勧告・意見 | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。