報告書番号 | MA2017-12 |
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発生年月日 | 2017年01月19日 |
事故等種類 | 爆発 |
事故等名 | コンテナ船MANHATTAN BRIDGE爆発(補助ボイラ) |
発生場所 | グレートブリテン及び北アイルランド連合王国フェリックストー港 ドーバーコートハイ(Dovercourt High)灯台から真方位012°2.0海里付近 |
管轄部署 | 事務局 |
人の死傷 | 死亡:負傷 |
船舶種類 | 貨物船 |
総トン数 | 30000t以上 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2017年12月21日 |
概要 | コンテナ船MANHATTAN BRIDGEは、船長ほか25人が乗り組み、水先人1人を乗せ、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国フェリックストー港のコンテナ岸壁に着岸作業中、2017年1月19日23時04分ごろ(現地時間)機関室の補助ボイラで爆発を生じた。 MANHATTAN BRIDGEは、操機手1人が死亡、二等機関士が負傷し、補助ボイラの燃焼装置のバーナユニット部が破損した。 |
原因 | 本事故は、夜間、MANHATTAN BRIDGEが、グレートブリテン及び北アイルランド連合王国フェリックストー港のコンテナ岸壁に着岸作業中、補助ボイラの炉内で爆発が発生したものと考えられる。 炉内で爆発が発生したのは、炉内に不完全燃焼により熱せられていた一酸化炭素ガス及び火炎が存在し、換気されていない状況下、二等機関士が運転した押込みファンにより二次空気が炉内に供給されて一酸化炭素ガスと酸素とが急速に反応したか、あるいは、炉内に高温、高濃度の未燃の‘マリンガスオイル’(MGO)が気化して可燃性ガスとして存在し、換気されていない状況下、押込みファンの運転により二次空気が炉内に供給され、炉内の可燃性ガスが爆発限界内となったことによる可能性があると考えられる。 二等機関士が押込みファンを運転したのは、炉内を二次空気で換気しようとしたことによるものと考えられる。 炉内に未燃のMGOが気化した可燃性ガスが存在したのは、燃料こし器の目詰まり等が発生してMGOの油圧が低下したものの燃料油圧低下警報設定値まで下がらない状況下、ロータリーカップバーナから噴射されるMGOの供給量が減少したものの、一次空気量及び二次空気量がMGOの供給量減少以前と同じであったので、MGOが吹き飛ばされて噴霧が不均一となり、更に同バーナからの火炎が大量の空気により冷却され、保炎が阻害されて燃焼状態が不良になり、一部のMGOが燃焼せず、未燃の状態で炉内に残り、気化したことによるものと考えられる。 炉内に不完全燃焼による一酸化炭素ガス及び火炎が存在したのは、炉内異常警報により押込みファンが停止し、二次空気ダンパが閉状態となり、空気の供給が遮断されて空気量が不足した状態で燃焼が続いたことによるものと考えられる。 燃料こし器が目詰まりしたのは、パラフィンワックスが多く含まれて目詰まり点が高いMGOが使用され、補助ボイラの燃焼装置付近の温度がMGOの目詰まり点以下になり、パラフィンワックスが析出してこし器に付着したことによるものと考えられる。 |
死傷者数 | 死亡:操機手、負傷:二等機関士 |
勧告・意見 | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。