報告書番号 | MA2011-11 |
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発生年月日 | 2011年02月22日 |
事故等種類 | 転覆 |
事故等名 | 瀬渡船せと丸転覆 |
発生場所 | 和歌山県串本町安指(あざし)漁港西方沖のスズ島付近 潮岬灯台から真方位302°5.6海里付近 |
管轄部署 | 事務局 |
人の死傷 | 死亡:負傷 |
船舶種類 | 瀬渡船 |
総トン数 | 5t未満 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2011年11月25日 |
概要 | 瀬渡船せと丸は、船長ほか1人が乗り組み、釣り客9人を乗せ、安指漁港の係留場所を出航し、横島の東側の岩場に釣り客4人を渡してスズ島に向かい、スズ島の岩場に接近したが、船長が着けることをやめて船尾方を確認したとき、平成23年2月22日(火)06時48分ごろ波を受けて転覆した。 せと丸は、船長が死亡、釣り客5人及び乗組員が負傷し、岩場に当たって大破した。 |
原因 | 本事故は、海上強風警報が発表されている状況下、本船が、安指漁港西方沖のスズ島等へ釣り客を瀬渡しする際、船長が、目視による風や波の状況に基づいて本船係留場所を出航してスズ島付近まで航行したため、スズ島の南南東方5~6m付近で同島に着けることをやめて船尾方を確認したとき、船尾方から最初の大波を受け、本件岩場に向けて流され、船首部が本件岩場に乗り、引き波とともに右舷側に傾き、その直後に船尾方から本件大波を受けて海水が船内へ打ち込み、打ち込んだ海水が右舷側に滞留して更に右舷側に傾いて転覆したことにより発生したものと考えられる。 船長が、目視による風や波の状況に基づいて本船係留場所を出航してスズ島付近まで航行したのは、業務規程の出航中止基準に該当する海上強風警報の発表の有無にかかわらず、目視により波や風の状況を確認して出航の判断を行っていたことから、出航前、安指漁港では北東風が吹いており、海上では風の影響を余り受けないと認識していたこと、及び目視による安指漁港沖の波高が約2~2.5mであるとの報告を受けたことによるものと考えられる。 なお、船長は、本事故当日、安指漁港沖に関係する詳細で最新の気象及び海象情報を入手しておらず、海上強風警報が発表されていたことを知らなかったものと考えられる。 |
死傷者数 | 死亡:1人(船長)、負傷:6人(乗組員及び釣り客) |
勧告・意見 | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。