報告書番号 | MA2021-7 |
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発生年月日 | 2020年12月30日 |
事故等種類 | 乗揚 |
事故等名 | 押船第一駿河被押台船駿河乗揚 |
発生場所 | 沖縄県恩納村名嘉真の海岸沖 琉球名護港南防波堤灯台から真方位226°4.5海里付近 |
管轄部署 | 那覇事務所 |
人の死傷 | |
船舶種類 | 引船・押船:非自航船 |
総トン数 | 5~20t未満:500~1600t未満 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2021年07月29日 |
概要 | 押船第一駿河は、台船駿河と押船列を構成して漂流中、令和2年12月30日15時31分ごろ沖縄県恩納村名嘉真の海岸沖にあるリーフに乗り揚げた。 第一駿河は、プロペラ翼の曲損等を生じ、駿河は、船底外板の凹損等を生じた。 |
原因 | 本事故は、瀬底島南東方海域において、海上強風警報、波浪警報及び強風注意報が発表され、風速20m/s以上の北北西から北北東寄りの風が吹く荒天下、‘押船第一駿河が台船駿河の船尾凹部に嵌合した状態’(A船押船列)が無人の状態で錨泊中、右舷船首部アンカーワイヤロープが同部フェアリーダローラ上で破断したため、‘アンカー、アンカーチェーン及びアンカーチェーンに繋がれていたワイヤロープ’(アンカー等)が海中に脱落して漂流し始め、風波を受けて南東から南方に向けて漂流を続け、名嘉真の海岸沖のリーフに乗り揚げたものと推定される。 右舷船首部アンカーワイヤロープが同部フェアリーダローラ上で破断したのは、風波を受けて船体が動揺し、同部フェアリーダローラ上で同部アンカーワイヤロープが緊張した状態となり、同部フェアリーダローラに接していた箇所で摩擦が生じたことによるものと考えられる。 A船押船列が無人の状態で錨泊していたのは、次の当直者である船長が現当直者との引継ぎの時刻に間に合わず、現当直者が船長との引継ぎを直接行うことなく船長の許可を得てA船押船列を離れたことによるものと推定され、当直者が配置されていたならば、漂流を開始したことに気付き、本事故の発生を回避できた可能性があると考えられる。 船長及び神琉建設株式会社取締役統括部長が、錨泊を開始する際、今後の気象及び海象の悪化を想定していたものの、風速20m/sを超えて荒天下の状況になることを想定していなかったことは、本事故の発生に関与した可能性があると考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見 | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。