報告書番号 | MA2022-2 |
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発生年月日 | 2020年11月28日 |
事故等種類 | 衝突 |
事故等名 | 貨物船はやと遊漁船第五不動丸衝突 |
発生場所 | 茨城県鹿島港 鹿島港南防波堤灯台から真方位324°560m付近 |
管轄部署 | 事務局 |
人の死傷 | 死亡:負傷 |
船舶種類 | 貨物船:遊漁船 |
総トン数 | 200~500t未満:5t未満 |
報告書(PDF) | 公表/説明資料 |
公表年月日 | 2022年02月17日 |
概要 | 貨物船はやとは、船長ほか4人が乗り組み南南西進中、また、遊漁船第五不動丸は、船長ほか1人が乗り組み、釣り客10人を乗せ北進中、令和2年11月28日05時22分ごろ、茨城県鹿島港において両船が衝突した。 第五不動丸は、釣り客1人が死亡し、船長及び7人の釣り客が負傷したほか、右舷中央部の破口等を生じ、はやとは、球状船首先端部に擦過傷を生じた。 |
原因 | 本事故は、夜間、鹿島港口付近において、はやとが鹿島港北海浜前面海域の錨地に向けて南南西進中、第五不動丸が大洗町沖の釣り場に向けて北進中、はやとの船長が、第五不動丸がはやとの進路を避けると思い、同じ針路及び速力で航行を続け、また、第五不動丸の船長が、はやとが鹿島水路に向けて南下して第五不動丸の右舷方を通過すると思い、同釣り場に向かう際の針路目標としていた鹿島港第2号灯浮標付近に向かう針路とすることに意識を向けて航行を続けたため、両船が衝突したものと考えられる。 はやとの船長が、第五不動丸がはやとの進路を避けると思い、同じ針路及び速力で航行を続けたのは、これまでの経験及び港則法では特定港において小型船舶がそれ以外の船舶の進路を避航するという認識から、港内では接近する小型船舶が自船の進路を避けてくれると思っていたことによるものと考えられる。 第五不動丸の船長が、はやとが鹿島水路に向けて南下して第五不動丸の右舷方を通過すると思ったのは、これまで鹿島港北海浜前面海域に向かう貨物船をあまり見たことがなかったこと及び自船が鹿島水路の左側(西側)にいると認識していたことによるものと考えられる。 第五不動丸の船長が、鹿島港第2号灯浮標付近に向かう針路とすることとしたのは、遊漁船の船長としての経験及び夜間航行の経験が少なく、追尾できれば安心だと思っていた同じ運航者の僚船がレーダーレンジの範囲外となって映像が確認できなくなったこと及び操船訓練時に大洗町沖の釣り場に向かう際の針路目標として僚船船長から教えられていたことによるものと考えられる。 第五不動丸の船長が、はやとが接近している状況に気付かず、その後、至近に接近するまではやとに気付かなかったのは、遊漁船の船長としての経験及び夜間航行の経験が少ない中、出港前に不慣れな作業及び第五不動丸を遊漁船として使用する準備が重なって時間的余裕がなくなり、ふだんは行っているAIS情報による他船の動向の確認等を行うことができず、また、操船及び機器の操作に不慣れな第五不動丸を操縦することから、不安及び焦りを感じ、気持ちに余裕がない状態で操船していたことが関与した可能性があると考えられる。 |
死傷者数 | 死亡:釣り客(遊漁船第五不動丸)、負傷:船長、釣り客7人(遊漁船第五不動丸) |
勧告・意見 | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。