JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MI2019-3
発生年月日 2018年07月12日
事故等種類 運航不能(航行設備故障)
事故等名 旅客フェリーこんぴら2運航不能(電源喪失)
発生場所 香川県高松市高松港  高松港朝日町外防波堤北灯台から真方位101°1,130m付近
管轄部署 事務局
人の死傷
船舶種類 旅客船
総トン数 3000~5000t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2019年03月28日
概要  旅客フェリーこんぴら2は、船長ほか11人が乗り組み、旅客46人を乗せ、車両49台を積載し、香川県高松市高松港港内において北進中、平成30年7月12日06時39分ごろ主配電盤の気中遮断器が作動して断となってブラックアウトを起こし、主機が停止して気中遮断器が再投入できず、運航不能となった。
 こんぴら2は、旅客及び乗組員に死傷者はおらず、船体に損傷はなかった。
原因  本インシデントは、こんぴら2が、高松港港内において北進中、車両甲板冷凍車用レセプタクルの右舷電路及び左舷電路の接続箱で両電路の配線に相間短絡があったため、両電路に短絡電流が流れて主配電盤の車両甲板冷凍車用レセプタクル右舷配線用遮断器が作動して断となった際に、同配線用遮断器に接続していた母線銅帯分岐線2本が破損して跳ね飛び、車両甲板冷凍車用レセプタクル船首部配線用遮断器母線銅帯分岐線に接触した相間短絡及び主配電盤壁面との地絡によって主配電盤母線に過大な電流が流れ、気中遮断器が作動し、断となってブラックアウトが起こり、主機が停止して気中遮断器が再投入できなかったことにより発生したものと考えられる。
 車両甲板冷凍車用レセプタクルの右舷電路及び左舷電路の接続箱で両電路の配線に相間短絡があったのは、同配線が固縛されておらず、両電路の接続箱内で擦れ合い、配線被覆が破れて導線が接触したことによるものと推定される。
 車両甲板冷凍車用レセプタクル右舷配線用遮断器が作動して断となった際に、接続していた母線銅帯分岐線2本が破損して跳ね飛んだのは、過去に何度か短絡電流が流れて断となっていた車両甲板冷凍車用レセプタクル右舷配線用遮断器の内部でアークが発生してアークガスを放出したことから、電源側に接続していた母線銅帯分岐線が相間短絡を起こして溶損及び電磁反発力による曲損を生じたことによるものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考 関係団体等への周知協力依頼
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。