報告書番号 | RI2019-1-1 |
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発生年月日 | 2017年12月11日 |
区分 | 鉄道 |
発生場所 | 東海道新幹線 名古屋駅構内[愛知県名古屋市] |
事業者区分 | JR |
事業者名 | 西日本旅客鉄道株式会社 (法人番号 1120001059675) |
事故等種類 | 車両障害 |
踏切区分 | |
人の死傷 | |
都道府県 | 愛知県 |
報告書(PDF) | 公表/説明資料 |
公表年月日 | 2019年03月28日 |
概要 | 西日本旅客鉄道株式会社の博多駅発東京駅行き16両編成の上り第34A列車(のぞみ34号)は、平成29年12月11日、山陽新幹線博多駅を定刻(13時33分ごろ)に出発した。博多駅出発直後から乗務員等が車内での異臭及び車両の床下からの異音等を認めたが、新大阪駅まで運行し、その後の運行を東海旅客鉄道株式会社に引き継いだ。 16時53分ごろ、第34A列車が東海道新幹線名古屋駅に到着する際、東海旅客鉄道株式会社の運用指令の指示により同駅に派遣されていた車両保守担当社員が4両目車両からの異音を認めたため、17時03分ごろ、同駅において、床下点検を実施した。 点検の結果、4両目車両の前台車(歯車箱付近)に油漏れが認められたため、第34A列車の運行を取りやめた。 その後、当該車両を車両基地(名古屋車両所)に移動させるための作業を行っていたところ、23時40分ごろ、4両目車両の前台車の台車枠左側の側ばりに亀裂が発見された。 列車には、名古屋駅到着時点において、乗客約1,000名並びに乗務員4名(運転士1名、車掌3名)及び車内販売業務等を担当するパーサー3名が乗車していたが、負傷者はいなかった。 なお、第34A列車として運用された車両は、西日本旅客鉄道株式会社の所属である。 |
原因 | 本重大インシデントは、車両の台車枠の側ばりに発生した亀裂が疲労により進展し、台車枠が変形したため、歯車形たわみ軸継手が許容範囲を超えて変位し損傷したことにより発生したものと推定される。 車両の台車枠の側ばりに亀裂が発生したことについては、亀裂の起点であるスロット溶接部裏境界近傍に、溶接施工時に生じた割れが存在していた可能性が考えられ、加えて、 (1) 焼鈍後に軸ばね座下面に肉盛溶接を施工したことにより、スロット溶接部近傍に残留応力が生じていたこと、 (2) 側ばり下板に軸ばね座を取り付ける際に、側ばり下面を過度に研削したことにより側ばり下板の板厚が薄くなり、板厚が設計上の基準値以下になっていたこと が関与したものと推定される。 また、側ばり下面が過度に研削され側ばり下板の板厚が薄くなっていたことが亀裂の進展速度を速め、車両寿命(台車使用期間)より短い期間で亀裂が進展したものと推定される。 なお、側ばり下面を過度に研削したことについては、台車枠の製造時に、側ばり下面が膨らみ、軸ばね座の取付けに当たり加工が必要となった問題に対し、根本的な要因や対策を検討せずに対処したこと、及び台車枠の強度に関わる作業指示が十分認識されないまま製造作業が進められたことが関与したものと推定される。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見(建議) | 意見 |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |