報告書番号 | RI2011-4-1 |
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発生年月日 | 2010年10月29日 |
区分 | 鉄道 |
発生場所 | 芸備線 矢賀駅~戸坂駅間(単線)[広島県広島市] |
事業者区分 | JR |
事業者名 | 西日本旅客鉄道株式会社 |
事故等種類 | 車両障害 |
踏切区分 | |
人の死傷 | |
都道府県 | 広島県 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2011年10月28日 |
概要 | 西日本旅客鉄道株式会社の芸備線広島駅発下深川(しもふかわ)駅行き2両編成の上り気第3874D列車は、平成22年10月29日(金)、矢賀駅を定刻(23時07分)に出発した。列車の運転士は速度約70km/hで走行中、次の戸坂駅到着のためのブレーキをかけたところ、戸閉め表示灯の滅灯を認めたため、直ちに非常ブレーキをかけて停止した。車内を確認したところ、前部車両の進行前寄り左側(前後左右は列車進行方向を基準とする。)の旅客用乗降口の扉が約5cm開いていた。運転士は同旅客用乗降口の扉を鎖錠し、乗務中の車掌見習いを監視のために配置し、運転を再開した。同列車は下深川駅まで運転された後運行を取りやめ、広島運転所に回送された。同列車には、乗客約130名及び乗務員3名が乗車していたが、旅客用乗降口の扉が開いたことによる乗客の転落はなかった。 |
原因 | 本重大インシデントは、本件ドアの戸閉め機械のピストン棒の本件接手ねじが破断したことにより、ドアを閉める力が作用しなくなったため、本件列車の走行中に本件ドアが開いたことにより発生したものと推定される。 本件接手ねじが破断したのは、破断面の状況から疲労破壊によるものと考えられるが、ドアが閉まったときや閉まる際に、想定されていなかった曲げの力が繰り返し接手ねじに作用したため、接手ねじが強度不足となっていたことによるものと考えられる。また、接手ねじの材料に、図面指定と異なり、強さや靱性を必要とされない場合に用いられる硫黄快削鋼を使用していたことが関与した可能性もあると考えられる。 想定されていなかった曲げの力が接手ねじに作用したのは、戸閉めの際にドアが傾くことにより戸尻側戸吊り金具が上昇し、戸閉め機械と戸吊り金具をつなぐピンが戸吊り金具ピン取付穴の下端に位置する関係にあったと推定されることから、接手ねじに上下方向の力が作用したためと考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見(建議) | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |