報告書番号 | AA2018-5-2 |
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発生年月日 | 2016年05月27日 |
発生場所 | 東京国際空港滑走路34R上 |
航空機種類 | 飛行機 |
事故等種別の分類 (Occurrence Category) |
SYSTEM/COMPONENT FAILURE OR MALFUNCTION (POWERPLANT) FIRE/SMOKE (NON-IMPACT) EVACUATION |
飛行の段階 (Phase of Flight) |
TAKEOFF |
人の死傷 | 負傷 |
航空機区分 | 大型機 |
型式 | ボーイング式777-300型 |
登録記号 | HL7534 |
運航者 | 株式会社大韓航空 (法人番号 6700150004988) |
事故等種類 | 離陸滑走時のエンジン火災 |
報告書(PDF) | 公表/説明資料 |
公表年月日 | 2018年07月26日 |
概要 | 株式会社大韓航空所属ボーイング式777-300型HL7534は、平成28年5月27日(金)、同社の定期2708便として東京国際空港滑走路34Rから金浦国際空港に向けて離陸滑走中、12時38分ごろ、第1(左側)エンジンに火災が発生したことを示す警報が作動したため、離陸を中止し、同滑走路上に停止して、非常脱出を行った。同機には、機長ほか乗務員16名及び乗客302名の計319名が搭乗していたが、この非常脱出の際に乗客40名が軽傷を負った。 |
原因 | 本事故は、HL7534の離陸滑走時に第1(左側)エンジンの第1段高圧タービン・ディスクが破断し、その破片がエンジンケースを貫通したことにより、エンジン火災が発生したものと推定される。 第1段高圧タービン・ディスクが破断したことについては、エンジン製造時に第1段高圧タービン・ディスク後面のU字型溝部分を加工した際に許容値を超える段差が生じ、エンジンの使用中に当該部分から低サイクル疲労による亀裂が発生して進展したことによるものと考えられる。 段差が発見されなかったことについては、エンジン製造者による製造時の検査の際に見逃された可能性が考えられる。また、亀裂が発見されなかったことについては株式会社大韓航空によるエンジン使用中の整備における同ディスクの非破壊検査の際に見逃された可能性が考えられる。 第1エンジンに火災が発生したことについては、第1段高圧タービン・ディスクの破片がエンジンケースを貫通した際の衝撃及びディスクの破断に伴い第1エンジンが急停止した際にエンジンが受けた荷重によりエンジンケースに取り付けられていた燃料滑油熱交換器の外側ケースに亀裂が生じ、その亀裂から漏出した燃料及び滑油が第1エンジンの高温部に接触して発火したことによるものと考えられる。 |
死傷者数 | 40名軽傷(乗客) |
勧告・意見 | |
情報提供 | 国土交通省航空局への情報提供 |
動画(WMV) |