報告書番号 | 2003-5 |
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発生年月日 | 2002年01月21日 |
発生場所 | 北海道函館空港 |
航空機種類 | 飛行機 |
事故等種別の分類 (Occurrence Category) |
WIND SHEAR OR THUNDERSTORM |
飛行の段階 (Phase of Flight) |
LANDING |
人の死傷 | 負傷 |
航空機区分 | 大型機 |
型式 | エアバス・インダストリー式A321型 |
登録記号 | JA104A |
運航者 | 全日本空輸株式会社 |
事故等種類 | |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2003年09月26日 |
概要 | 全日本空輸株式会社所属エアバス・インダストリー式A321-131型JA104Aは、平成14年1月21日(月)、同社の定期391便(名古屋空港-函館空港)として函館空港に進入中ウインドシャー警報が作動し、回復操作を行ったが、同操作中、13時03分ごろ、胴体後部の下面を滑走路に接触させて中破した。 同機には、機長ほか乗務員5名、乗客87名計93名が搭乗していたが、客室乗務員3名が軽傷を負った。 |
原因 | 本事故は、同機が最終進入中に対地高度100ft付近から激しいウインドシャーに遭遇し、回復操作を行ったものの、上昇力の回復が間に合わなかったため、同機の胴体後部の下面が滑走路に接触し、後部フレーム及び後部圧力隔壁を損傷したことによるものと推定される。 また、本事故については、以下のことが関与したものと考えられる。 (1) 上昇力の回復が間に合わなかったことについては、ウインドシャーからの回復のためのスラスト・レバー操作に対するエンジン推力の追随に遅れがあること、及び進入中の速度が減少していたので、直ちに増速できなかったこと (2) 進入中に速度が減少していたことについては、PFである副操縦士が、向い風が増加したときに、エンジン推力を減じたこと、及び最終進入速度の設定時に小さめの値が選定されていたこと (3) 向い風が増加したときにエンジン推力を減じたことについては、手動操縦で「SELECTED SPEED」モードであったためCASを一定に保持しようとしたこと、及び向い風の増加に引き続く風速の減少を運航乗務員が十分に予想しなかったこと (4) 最終進入速度の設定時に小さめの値が選定されていたことについては、風速に対する考慮が適切でなかったこと、及び進入速度が大きい場合の機体の接地姿勢を懸念していたこと (5) 風速に対する考慮が適切でなかったことについては、最終進入速度の設定において、簡便な計算方法を用いて行い、風速の変動分と向い風の成分の影響を区別して加算しなかったこと (6) 進入速度が大きい場合の機体の接地姿勢を懸念していたことについては、同社のAOMではフル・フラップでの着陸のみを前提とし、機首が下がることに対する対策がなされていないこと、及びPFである副操縦士が機首が下がった状態での接地操作の難しさを考慮したこと なお、低高度ウインドシャーの成因については、ガストを伴う強風下、接地境界層に対する地形の影響による可能性が考えられる。 |
死傷者数 | |
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