JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2017-9
発生年月日 2016年10月30日
事故等種類 死傷等
事故等名 貨物船BBC ASIA作業員死傷
発生場所 阪神港神戸区新港東ふ頭T岸壁  神戸市所在の神戸第3防波堤東灯台から真方位283°1,480m付近
管轄部署 事務局
人の死傷 死亡:負傷
船舶種類 貨物船
総トン数 5000~10000t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2017年09月28日
概要  貨物船BBC ASIAは、阪神港神戸区新港東ふ頭T岸壁において、クレーンを使用してパイプの積荷役作業中、平成28年10月30日11時31分ごろ、貨物倉内で作業をしていた作業員3人が、クレーンで吊り上げられていたパイプの束と側壁との間に挟まり、2人が死亡し、1人が重傷を負った。
原因  本事故は、BBC ASIAが、阪神港神戸区の新港東ふ頭T岸壁において、右舷着けで積荷役中、1号クレーンで吊り上げて停止していた‘9本のステンレス製のパイプを結束した貨物4束’(本件パイプ)が右舷方に振れたため、貨物倉内の右舷側壁側に積み付けられた貨物上で待機等していた荷役作業員2人及び固縛作業員1人が本件パイプと右舷側壁との間に挟まれたことにより発生したものと考えられる。
 1号クレーンで吊り上げて停止していた本件パイプが右舷方に振れたのは、本事故時、着岸時より潮高が低くなったこと、また、BBC ASIAの喫水が増加したことなどによってBBC ASIAの右舷側のフェンダ下面が岸壁の防舷材上面に引っ掛かり、右舷傾斜が遮られた状態において、本件パイプを1号クレーンで吊り上げて‘貨物倉の右舷側壁から約3mの距離、内底板から約2.75mの高さの位置’(本件停止位置)で停止させた際、フェンダ下面が防舷材上面から外れ、船体の横揺れが生じて右舷側に傾斜したことによるものと考えられる。
 作業員が貨物倉内の右舷側壁側に積み付けられた貨物上で待機等していたのは、同貨物上が本件パイプの運搬経路に該当しないことなどにより同貨物上への立入りが禁止されていなかったことに加え、これまで、クレーンの操作を停止している状態で吊り上げられた荷物が大幅に振れることがなかったことから、本事故時、本件パイプが本件停止位置から同貨物上まで振れることを予測できなかったことによるものと考えられる。
死傷者数 死亡:作業員2人、負傷:作業員
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考 関係団体等への周知協力依頼
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。