報告書番号 | MA2018-2 |
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発生年月日 | 2016年06月07日 |
事故等種類 | 衝突 |
事故等名 | コンテナ船ESTELLE MAERSKコンテナ船JJ SKY衝突 |
発生場所 | 阪神港神戸区神戸中央航路 神戸中央航路第1号灯浮標から真方位015°195m付近 |
管轄部署 | 事務局 |
人の死傷 | |
船舶種類 | 貨物船:貨物船 |
総トン数 | 30000t以上:5000~10000t未満 |
報告書(PDF) | 公表 |
公表年月日 | 2018年02月22日 |
概要 | コンテナ船ESTELLE MAERSKは、船長ほか27人が乗り組み、水先人の水先により阪神港神戸区の神戸中央航路南口に向けて北進中、コンテナ船JJ SKYは、船長ほか21人が乗り組み、神戸中央航路南口に向けて西北西進中、平成28年6月7日07時08分54秒ごろ同航路南口付近において両船が衝突した。 ESTELLE MAERSKは、右舷船首部外板に擦過傷を生じ、JJ SKYは、船橋左舷側のウイングの一部に圧壊を生じたが、両船共に死傷者はいなかった。 |
原因 | 本事故は、阪神港神戸区において、ESTELLE MAERSKが神戸中央航路に向けて北進中、JJ SKYが神戸中央航路に向けて西北西進中、ほぼ同時に同航路に入航する状況下、ESTELLE MAERSKの水先人が、ESTELLE MAERSKの入航が優先されるものと思い、神戸中央航路南口に向けて北進を続け、また、JJ SKYの船長が、ESTELLE MAERSKがJJ SKYの船尾方を航行するものと思い、神戸中央航路の西方にある着岸予定岸壁に向けて同航路を斜めに横切る態勢で増速したため、両船が衝突したものと考えられる。 ESTELLE MAERSKの水先人が、ESTELLE MAERSKの入航が優先されるものと思い、神戸中央航路南口に向けて北進を続けたのは、ESTELLE MAERSKが400m級の大型船であり、管制により同航路への入航が優先されると思っていたこと、ポートラジオを介して、阪神港大阪区から神戸中央航路に向かって航行していた別の船舶よりも先に入りたいとの入航順序の要望を伝え、同船舶が承諾してESTELLE MAERSKの後から入航する態勢となったこと、及びESTELLE MAERSKがポートラジオに通報した入航予定時刻に合わせて航行していたことによるものと考えられる。 JJ SKYの船長が、ESTELLE MAERSKがJJ SKYの船尾方を航行するものと思い、神戸中央航路の西方にある着岸予定岸壁に向けて同航路を斜めに横切る態勢で増速したのは、VHFで“Follow JJ SKY”という他船同士の交信を聴いたこと、JJ SKYの前方を航行する船舶との距離が約0.3Mであり、ESTELLE MAERSKがJJ SKYとJJ SKYの前方を航行する船舶との間を通過するのは危険であると思ったこと、及びレーダーでESTELLE MAERSKを確認し、ESTELLE MAERSKが針路を変えなければJJ SKYの船尾方を航行する態勢であると思ったことによるものと考えられる。 ESTELLE MAERSK及びJJ SKYが、ほぼ同時に神戸中央航路に入航する状況となった際、VHFを用いてコミュニケーションをとっていなかったことは、本事故の発生に関与したものと考えられる。 |
死傷者数 | なし |
勧告・意見 | |
情報提供 | |
動画(MP4) | |
備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。