
| 報告書番号 | MA2016-2 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2015年04月26日 |
| 事故等種類 | 死傷等 |
| 事故等名 | 旅客フェリーえひめ乗組員負傷 |
| 発生場所 | 愛媛県八幡浜市八幡浜港フェリー桟橋 八幡浜港長早防波堤灯台から真方位080°940m付近 |
| 管轄部署 | 広島事務所 |
| 人の死傷 | 負傷 |
| 船舶種類 | 旅客船 |
| 総トン数 | 1600~3000t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2016年02月25日 |
| 概要 | 本船は、船長、航海士A及び航海士2人(以下「航海士B」及び「航海士C」という。)ほか10人が乗り組み、八幡浜港フェリー桟橋に右舷着け中、左舷側に搭載されている救助艇の振出し降下訓練を船長の指揮下で開始した。 船長は、航海士A、航海士C及び甲板員1人(以下「甲板員A」という。)を救助艇に乗り込ませ、航海士Bに指示して、油圧シリンダを使って救助艇のボートダビットを舷外へ振り出した。 船長は、‘救助艇内からリモートコントロールワイヤを操作して油圧ウインチ(油圧を回転運動に変換し、ワイヤロープを巻き揚げたり下ろしたりする装置)のブレーキを解放し、救助艇の自重だけで海面まで一気に降下する機構’(以下「重力降下機構」という。)を使用して救助艇を降下させることにし、‘重力降下機構の赤色の取っ手’(以下「赤取っ手」という。)を引くよう甲板員Aに指示した。 甲板員Aは、救助艇内で立ち上がり、ほぼ肩の高さにある赤取っ手を数回引いたが、救助艇を降下させることができなかった。 船長は、‘救助艇内から別のリモートコントロールワイヤを操作してボートダビットに備え付けられている蓄圧器の油圧を放出させ、油圧シリンダでボートダビットを舷外に振り出す機構’(以下「非常振出し機構」という。)が、重力降下機構に何らかの影響を及ぼしているから赤取っ手を引いても救助艇が降下しないのではないかと思った。 船長は、‘非常振出し機構の黄色の取っ手’(以下「黄取っ手」という。)を引くよう航海士Aに指示した。 救助艇は、航海士Aが救助艇の中で立ち上がってほぼ肩の高さにある黄取っ手を引いたとき、不意に降下し始めた。 救助艇が降下し始めたとき、甲板員Aは危険を感じて赤取っ手から手を放して救助艇の中にしゃがみ込んだが、航海士Aは、救助艇が急に降下するとは思っていなかったことと救助艇の降下するスピードが速く感じられたことから驚き、とっさに黄取っ手と赤取っ手にしがみ付いた。 航海士Aは、船長から手を放して救助艇に飛び降りるよう指示されたものの、黄取っ手と赤取っ手に両手でぶら下がっていた。 船長は、着水した救助艇を巻き揚げるよう航海士Bに指示したが、本船上のブレーキレバーリセットロープを引いても油圧ウインチのブレーキをリセットできず、救助艇を巻き揚げることができなかった。 航海士Aは、やがて力尽きて手を放し、平成27年4月26日08時55分ごろ、約10m下方の救助艇の上に落下した。 航海士Bは、本船上のブレーキレバーリセットロープを引いて油圧ウインチのブレーキをリセットし、油圧ウインチで救助艇を巻き揚げた。 航海士Aは、救助艇と一緒に巻き揚げられた後、救急車で病院に搬送され、その後、ドクターヘリで別の病院へ搬送され、右気胸、左血気胸、左肋骨多発骨折、脾損傷及び左大腿骨骨幹部骨折と診断された。 |
| 原因 | 本事故は、本船が八幡浜港フェリー桟橋に着桟中、救助艇の振出し降下訓練において、油圧シリンダでボートダビットを振り出した後、重力降下機構で救助艇を降下させようとして赤取っ手を引いた際、救助艇が降下しなかったため、航海士Aが、船長の指示に従って黄取っ手を引いたところ、不意に救助艇が降下し始めたことに驚き、とっさに黄取っ手と赤取っ手にしがみ付いたものの、約10m下方の救助艇の上に落下して負傷したことにより発生したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | 負傷:航海士 |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。