JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2016-1
発生年月日 2015年05月21日
事故等種類 衝突(単)
事故等名 押船海馬バージ第十一日進衝突(灯浮標)及び乗揚
発生場所 千葉港市川水路 (1件目の事故) 千葉港葛南市川灯台から真方位124°2.1海里(M)付近 (2件目の事故) 千葉港葛南市川灯台から真方位116°1.7M付近 (3件目の事故) 千葉港葛南市川灯台から真方位108°1.5M付近
管轄部署 横浜事務所
人の死傷
船舶種類 引船・押船:非自航船
総トン数 100~200t未満:500~1600t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2016年01月28日
概要  (1件目の事故)
 A船は、船長Aほか3人が乗り組み、軽荷状態のB船の船尾凹部に船首部を嵌合して押船列(以下「A船押船列」という。)を構成し、船長Aが単独で船橋当直につき、自動操舵により対地速力7.5ノット(kn)で千葉港葛南区の市川水路に向けて東京湾アクアライン海ほたる灯北北東方沖を航行していた。
 船長Aは、悩みがあり、自室にあった焼酎を操舵室に持ち込み、約200ccのコップに焼酎を入れ、ウーロン茶で割って飲み始めた。
 船長Aは、市川水路に入る約30分前、千葉ポートラジオに同水路への入航予定時刻及び目的地を通報し、市川水路に入る直前には、焼酎のウーロン割り約3杯を飲み終え、手動操舵で市川水路に向ける針路としたところで気になっていた操舵室のパソコンの配線を片付け始めた。
 船長Aは、北進中、A船押船列が左舷方からの風を受け、市川水路を外れて東方へ圧流されていることに気付き、左舵を取ったが、市川水路の中央に戻すことができず、船首方の千葉港市川第4号灯浮標(以下灯浮標については、「千葉港市川」を省略する。)に接近している旨をB船の右舷船尾にいた乗組員1人(以下「乗組員A」という。)から聞いた。
 乗組員Aは、平成27年5月21日16時04分ごろB船の右舷船首が第4号灯浮標に衝突し、第4号灯浮標の設置場所付近を通過後、第4号灯浮標がA船押船列の右舷方に浮き上がったのを認めた。
(2件目の事故)
 船長Aは、A船押船列の右舷後方に第4号灯浮標を認めたので通過できたと思って航行を続けていたところ、16時10分ごろ、船体が停止したことに気付き、第6号灯浮標南南東方沖の浅所に乗り揚げたことを知った。
 船長Aは、乗り揚げたのではないかという千葉ポートラジオからの問合せに対し、乗り揚げたことを報告した。
 A船押船列は、船長Aが、主機を操作したり、バウスラスタを操作したものの浅所から離れることができず、主機を停止し、乗組員AがB船のスパッドを降ろして船体を固定した。
 船長Aは、操舵室に来た乗組員Aから飲酒しているのではないかと聞かれ、飲んでいないと答えた。
(3件目の事故)
 A社担当者は、乗組員Aから本船が乗り揚げた旨の連絡を受けた。
 船長Aは、操舵室で救助の船を待つ間、事故を起こしたことを思い悩み、約200ccのコップでお湯割りの焼酎を約2~3杯飲んでいた。
 A船押船列は、18時20分ごろ輸送会社の元請け会社に手配された引船に引き出され、市川水路の中央に戻された後も、船長Aが、操船に当たって主機を前進に掛けて航行を再開したところ、左舷方からの風を受けて市川水路の右側端に圧流されていることに気付いたものの、思うように操船ができず、市川水路から外れ、18時30分ごろ第6号灯浮標北方で乗り揚げた。
 乗組員Aは、操舵室に赴いて酩酊状態の船長Aに気付き、主機を停止し、B船のスパッドを降ろしてA社に連絡した。
 船長Aは、アルコール検査を受け、海上保安官から運航を中止するように命じられた。
 A船押船列は、翌22日05時51分ごろ引船に引き出され、同船にえい航されて千葉港葛南区の専用岸壁に着岸した。
原因  (1件目の事故)
 本事故は、A船押船列が、市川水路を航行する際、船長Aが、市川水路から外れていることに気付き、同水路に沿って航行しようとしたものの、飲酒の影響で注意力や判断力が低下し、船位の確認及び前路の見張りが適切に行えなかったため、市川水路の右側端付近を第4号灯浮標に向かう態勢で航行していることに気付かず、第4号灯浮標に衝突したことにより発生したものと考えられる。
(2件目の事故)
 本事故は、A船押船列が、市川水路の右側端付近を北進中、船長が、飲酒の影響で注意力や判断力が低下し、船位の確認が適切に行えなかったため、第6号灯浮標南南東方沖の浅所に向けて航行し、同浅所に乗り揚げたことにより発生したものと考えられる。
(3件目の事故)
 本事故は、A船押船列が、第6号灯浮標南南東方沖の浅所から引き出された後、市川水路の航行を再開したが、船長Aが、飲酒の影響で思うように操船ができなかったため、第6号灯浮標北方沖の浅所に乗り揚げたことにより発生したものと考えられる。 
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。