
| 報告書番号 | MA2015-13 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2015年05月26日 |
| 事故等種類 | 転覆 |
| 事故等名 | 漁船第十二海寿丸転覆 |
| 発生場所 | 鹿児島県南九州市松ヶ浦港南南西方沖 前瀬鼻灯台から真方位255°2,400m付近 |
| 管轄部署 | 門司事務所 |
| 人の死傷 | |
| 船舶種類 | 漁船 |
| 総トン数 | 5~20t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2015年12月17日 |
| 概要 | 本船は、船長ほか甲板員2人が乗り組み、松ヶ浦港南南西方沖において、船長が操舵室前の右舷側でクレーン及び網捌き機の操作に当たり、甲板員2人を左舷側の船首尾にそれぞれ配置し、平成27年5月26日09時00分ごろ定置網の交換作業を開始した。 船長は、定置網の末端に位置する二段箱と称する網の取り外しから着手することとし、同網の付け根側から内側に本船を進入させ、船首をほぼ北方に向けて主機を中立とし、クレーンの先端部に取り付けられた網捌き機を使用して同網を両端部から絞るように巻き取り、前部甲板上でクレーンのブームを左右に振りながら、網を積み込んでいた。 本船は、左舷側から網を巻き上げる張力により、左方に横移動しながら網を積み込んでいたところ、網の先端部付近に至った頃、左舷側に若干の傾斜を生じた。 船長は、一部の網を一旦海中に戻して本船の傾斜を復原しようとし、クレーンのブームを左舷側に振るとともに網捌き機を逆転としたところ、繰り出された網が左舷舷縁上に乗り、本船の傾斜が増大したことを認めた。 船長は、網捌き機を停止し、クレーンのブームを若干左舷側に振ったところ、舷縁上の網が海中に落下するとともに、積み込んだ網の一部が滑り落ちて舷外に垂れ下がり、さらに本船の傾斜が増大したので、再度、網捌き機を逆転とした数秒後、網捌き機との接続部近くの油圧ホースから大量の作動油が噴出し、網捌き機の回転が止まって制御できなくなった。 本船は、舷外に垂れ下がった網に引かれて既に積み込んでいた網が左舷側に滑り落ち始め、徐々に傾斜が増大して左舷側が海中に没して浸水し、10時00分ごろ左舷側にゆっくりと転覆した。 船長は、本船が転覆する動きに合せて右舷外板に登り、さらに船底へと移動した。 甲板員2人は、転覆時に海中に飛び込み、うち1人は自力で泳ぎ、もう1人は網の海中固定具外し等のために付近に配置されていた潜水士によって救助され、船長が2人を本船の船底上に引き揚げた。 船長及び甲板員2人は、その後、補助作業に従事していた小型漁船に移乗して上陸し、本船は、27日、28日の両日で、クレーン台船等によって引き起こされ、松ヶ浦港で排水作業が行われた後、29日に鹿児島県鹿児島市内の造船所まで僚船によってえい航された。 |
| 原因 | 本事故は、本船が、松ヶ浦港南南西方沖において、定置網交換作業による揚網中、左舷側への傾斜を生じた際、船長が、網捌き機を逆転としたところ、網捌き機の油圧ホースが破裂したため、作動油が抜けて網捌き機の制御が不能となって船体の傾斜を復原することができず、既に積み込んでいた網が左舷側に滑り落ち、本船の傾斜が増大して左舷側が海中に没して浸水し、転覆したことにより発生したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | なし |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。