
| 報告書番号 | MA2015-12 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2014年02月25日 |
| 事故等種類 | 死傷等 |
| 事故等名 | 瀬渡船第三深海丸釣り客負傷 |
| 発生場所 | 和歌山県串本町舟波漁港南方沖の岩(フタゴノコ) 江須埼灯台から真方位096°6,160m付近 |
| 管轄部署 | 神戸事務所 |
| 人の死傷 | 負傷 |
| 船舶種類 | 瀬渡船 |
| 総トン数 | 5t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2015年11月26日 |
| 概要 | 本船は、船長が1人で乗り組み、天候の悪化が予想されたので、舟波漁港南方沖で停留し、船長が、岩に渡した釣り客の様子を見ていたところ、西風が強くなってきたので、フタゴノコと称する岩(以下「本件岩」という。)の釣り客から迎えに行くこととし、本件岩の南南東方約150mに移動して待機した。 船長は、待機していた場所を発進して本件岩の北側へ回り、船首を南に向け、波の周期に合わせて徐々に前進して本件岩に近づき、波の高い位置となったとき、本船の船首部を本件岩に着けた。 船長は、機関の回転を上げて船首部を本件岩に押し付け、釣り客Aほか1人の釣り客(以下「釣り客B」という。)の乗船を待った。 釣り客Bは、本船が本件岩に着き、船首が立ち位置より50cm程度低かったが、機関音が大きくなったことを確認して本船に乗り、船首部から一段下りた所で自らの荷物を置き、釣り客Aの荷物を受け取るつもりで振り向いたとき、釣り客Aが左足を踏み出しているところを見た。 釣り客Aは、釣り客Bが乗船した後、竿袋及び釣った魚を入れるために水を入れたり、餌を入れたりする物入れ2個を右手で持って本船に乗ろうとしたとき、船首端と本件岩との間が50cm程度空き、船首が低い位置となって自らの立ち位置と段差が生じていたが、機関音が変わる気配がしないので、この状態で乗船しなければならないものと思って左足を踏み出した。 釣り客Aは、船首端から約50~60cm後方の両舷に立てられたステンレス製のポール(直径約40mm)のうち、右舷側のポールを左手でつかもうとしたものの、つかむことができず、左足に次いで右足が本船に着いたとき、体のバランスを崩して後方へ転倒し、船首端やや左舷側から船外に落ちた。 船長は、釣り客Bが乗船した後、船首方に視線を移したところ、釣り客Aの姿がないことに気付いた。 釣り客Aは、頭部と背中が本件岩に着き、また、左足が船首外板に取り付けられたタイヤフェンダに引っ掛かって体がくの字状になっていることに気付き、その後、臀部付近を本船で押されたことを感じた。 釣り客Bは、釣り客Aの胸から上部分が見え、本船がこのまま押し続ければ、釣り客Aが本船に挟まれると思い、船長に後進をかけるよう叫び、船長は、釣り客Bの声で機関を後進にかけた。 釣り客Bは、本船が後進しているとき、釣り客Aが本件岩から滑るようにずり落ちて着水したところを見た。 船長は、本船が本件岩から約10m後退した頃、海に浮いている釣り客Aが見えたので、機関を停止し、釣り客Bに救命浮環の投入を依頼した。 船長は、釣り客Aが投げ込まれた救命浮環をつかんだことを認めたのち、釣り客Bと共に釣り客Aを右舷側に引き寄せ、引き揚げようとしたが、引き揚げることができず、釣り客Aが着ていた救命胴衣の両肩部にロープを通して右舷側の手すりに結び、釣り客Bが釣り客Aの救命胴衣を持って体を支えながら、舟波漁港へ向かった。 船長は、舟波漁港に到着後、係留中の乾舷の低い船舶に釣り客Bと共に移乗し、付近の漁業者1人の助けを借りて3人で釣り客Aを引き揚げたのち、携帯電話で119番通報を行い、救急車を待つ間、海上保安庁に本事故の発生を通報した。 釣り客Aは、来援した救急車で近くのグラウンドに運ばれ、ドクターヘリに引き継がれて和歌山県田辺市の病院に搬送され、左多発肋骨、骨盤、左大腿骨転子部、左大腿骨骨幹部及び左脛骨骨幹部の骨折、出血性ショック並びに肺挫傷と診断されて緊急手術を受け、89日間入院した。 |
| 原因 | 本事故は、本船が、舟波漁港南方沖の本件岩において、船首部を本件岩に押し付けて釣り客を乗船させる際、釣り客Aが、乗船しようとしたところ、乗船する時機を失したため、体のバランスを崩し、後方に転倒して本件岩に落ち、更に臀部付近を船首部に押されたことにより発生したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | 負傷:1人(釣り客) |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。