JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MI2015-9
発生年月日 2014年12月01日
事故等種類 運航不能(航行設備故障)
事故等名 貨物船竹原丸運航不能(機関故障)
発生場所 山口県上関町天田島東方沖  天田島灯台から真方位094°1,100m付近
管轄部署 広島事務所
人の死傷
船舶種類 貨物船
総トン数 500~1600t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2015年09月17日
概要  本船は、船長及び機関長ほか9人が乗り組み、石炭灰約603tを 積載し、上関町平郡水道西方沖を西進中、荒天でレーシング(推進器が、波浪及びうねりによる船体動揺により海面に出た際、空転する状態)が頻繁に発生するようになったので、機関長が主機を回転数毎分(rpm)約223から約200rpmに下げて運航した。
 機関長は、主機の回転数を下げてもレーシングが止まらなかったので、主機の操縦リンク装置(主機の燃料噴射量を調整するリンク  装置)の過負荷制限用セットボルトを調整して燃料噴射量の上限を 制限しようと思い、操縦リンク装置の上部にあったセットボルトの 封印を外して締め込んだ。
 本船は、その後もレーシングが収まらなかったので、反転して航行していたところ、主機の過速度危急停止装置(287rpmに設定)が働いて停止ピストンが作動したが、主機が約200rpmを維持した状態となり停止しなかった。
 本船は、天田島東方沖を東進中、機関長が、主機を停止して過速度危急停止装置をリセットしようとした際、調整したセットボルトが 負荷零点(燃料噴射量が零の位置)調整用セットボルトであることに気付いたので、同ボルトを緩めて主機の回転数を約180rpmまで下げた後、主機の操縦場所を遠隔から機側に切り替えたところ、クラッチが離脱し、平成26年12月1日19時55分ごろ、主機が過回転状態となった。
 本船は、一等機関士が負荷零点調整用セットボルトを元の位置まで戻し、燃料ハンドルを停止状態として主機を停止したが、主機のプッシュロッド等が損傷して運航不能となり、付近海域に錨泊した。
 本船は、その後、タグボートで造船所までえい航され、主機を開放して点検したところ、主機の吸気弁、排気弁、クランク軸等が曲損していることが判明し、修理された。
原因  本インシデントは、夜間、本船が、荒天でレーシングが発生する状況下、主機の過速度危急停止装置が働いても主機が停止しない状態で天田島東方沖を東進中、機関長が、過速度危急停止装置をリセット しようとして主機の操縦を遠隔操作から機側操作に切り替えたため、主機に負荷が掛かった状態でクラッチが離脱し、過回転状態となって吸気弁、排気弁等が曲損し、主機の運転ができなくなったことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。