
| 報告書番号 | MA2015-7 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2012年10月09日 |
| 事故等種類 | 衝突 |
| 事故等名 | 貨物船天馬丸押船大豊山丸はしけ大豊山丸1号衝突 |
| 発生場所 | 大分県姫島村姫島北東方沖 姫島灯台から真方位050°5.7海里付近 |
| 管轄部署 | 広島事務所 |
| 人の死傷 | |
| 船舶種類 | 貨物船:引船・押船:非自航船 |
| 総トン数 | 500~1600t未満:200~500t未満:3000~5000t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2015年06月25日 |
| 概要 | A船は、船長A及び操船者Aほか3人が乗り組み、石炭約2,100tを積載し、平成24年10月9日16時40分ごろ山口県宇部市宇部港を出港して広島県竹原市竹原港に向かった。 操船者Aは、17時20分ごろ昇橋し、17時30分ごろ、宇部港南東方3.5M付近で船長Aから船橋当直を引き継ぎ、針路を周防灘の推薦航路線(以下「推薦航路線」という。)に沿う約102°(真方位、以下同じ。)に設定し、推薦航路線の北方2M付近を約12ノット(kn)の速力(対地速力、以下同じ。)で、自動操舵により航行中、レーダーで右舷船首45°、1.5M付近にB船がC船を押航する押船列(以下「B船押船列」という。)の映像を探知したが、B船の灯火を見て小型船と思い、C船の灯火に気付かなかった。 操船者Aは、AISによりB船が速力約10knで山口県徳山下松港に向かっていることを知り、B船の船首方を通過することとし、自動操舵装置の設定ダイヤルを回して左転を始めたところ、B船が発したせん光1回の信号を認め、更に同ダイヤルを回して左転を続けた。 操船者Aは、自動操舵のまま左転中、B船が更に接近するのを見て衝突の危険を感じ、自動操舵装置の設定ダイヤルを回して右転を始め、機関を微速力前進として間もなく、19時27分ごろ姫島北東方沖において、A船の船首部とC船の左舷中央部とが衝突した。 船長Aは、衝突を知って急いで昇橋し、機関を全速力後進にかけてC船から離れ、作業灯を全て点灯してA船の乗組員及び船体の安全を確認し、事故発生を118番通報した後、B船の右舷側に接舷してB船の救助に当たった。 B船は、船長B、航海士B、機関士B及び航海当直補助者Bほか4人が乗り組み、石灰石約8,800tを積載したC船の船尾凹部に船首部を嵌合させ、嵌合部をピンで連結してB船押船列を構成し、14時15分ごろ大分県津久見市津久見港を出港して徳山下松港に向かった。 航海士Bは、16時50分ごろ、佐田岬灯台の北西方5M付近の伊予灘で昇橋し、船長Bと交替して航海当直補助者Bと共に船橋当直につき、操船指揮を執り、航海当直補助者Bに操船を委ね、針路約345°、速力約10knで自動操舵により航行した。 機関士Bは、18時40~50分ごろ姫島の東南東方沖で昇橋して左舷後部付近に立ち、船橋当直の様子を見ていた。 航海士Bは、レーダーで推薦航路線の北方を本州側に寄って東進するA船の映像を探知し、A船が約6Mに接近したとき、AISで船名を確認した。 航海士Bは、伊予灘航路第1号灯浮標を右に見て通過した頃、右舷船首方に西進する船舶2隻、左舷船首方にA船の南側を東進する船舶3隻を認め、右舷船首方の船舶2隻の舷灯が紅灯から緑灯が見える状況となったことを確認した後、自動操舵のまま5°右転して針路を徳山下松港の入口に向く350°とした。 航海士Bは、A船の南側を東進していた船舶3隻がB船押船列の船尾方を通過した後、A船が避航の様子を見せないまま接近したが、航海当直補助者BがA船の動きを観察している様子に見えた上、B船押船列が保持船であるので、いずれA船が避けるものと思い、針路及び速力を保持して航行を続けた。 航海当直補助者Bは、A船が避航の様子を見せないまま更に接近するので、船橋右舷上部に備えた探照灯をA船に向けて点滅させ、航海士Bに右舵一杯を助言して機関を中立に操作し、機関士Bに探照灯でA船を照射するよう助言した後、汽笛による短音の吹鳴を始めた。 B船押船列は、航海士Bが手動操舵に切り替えて右舵一杯を取り、機関士Bが探照灯でA船に照射を始め、航海当直補助者Bが、B船及びC船の作業灯を全て点灯し、減速しながら右転中、A船と衝突した。 船長Bは、自室で休息中、機関の回転の変化に気付き、カーテンを開けて外を見たが、危険な他船の灯火を認めなかったので、通常の避航を行っているものと思い、その後、汽笛を聞いたものの、B船船舶所有者の社内で船長経験豊富な航海当直補助者Bが航海士Bと共に入直しているので安心し、トイレに寄ってから昇橋したところ、至近に迫ったA船を認め、A船がC船の左舷中央部にほぼ直角に衝突することを目撃した。 船長Bは、沈没の危険を感じ、乗組員に退船を指示して降橋し、乗組員が救命いかだを海に投下した。 B船押船列は、左舷側に傾斜を始めたが、B船とC船との連結が外れてB船の傾斜が戻った。 C船は、傾斜を続けながら惰力で前進し、船長Bが昇橋してVHF無線電話で海上保安庁に通報中、19時38分ごろ、B船から0.1M程度離れた所で転覆して沈没した。 B船は、B船船舶所有者が手配したサルベージ会社の作業船により浸水防止の作業が実施され、10日08時05分ごろ、作業船に横抱きされて徳山下松港に入港した。 |
| 原因 | 本事故は、夜間、姫島北東方沖において、A船が東進中、B船押船列が北進中、操船者Aが、B船押船列と衝突のおそれのある態勢で接近する状況下、適切な操船を行わず、また、航海士Bが、A船が至近になるまで針路及び速力を保持して航行を続けたため、A船とC船とが衝突したことにより発生したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | なし |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。