JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2015-7
発生年月日 2014年10月26日
事故等種類 死傷等
事故等名 作業船第五寿一丸漁船第七寿一丸乗組員死亡
発生場所 高知県南国市浜改田の南方沖  高知港東第1防波堤西灯台から真方位070°3.5海里付近
管轄部署 神戸事務所
人の死傷 死亡
船舶種類 作業船:漁船
総トン数 5~20t未満:5~20t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2015年06月25日
概要  A船は、船長Aが1人で乗り組み、また、B船は、船長Bが1人で乗り組み、南国市沖の‘漂流物(ごみ)の回収作業’(以下「本件作業」という。)を行うため、僚船18隻と共に平成26年10月26日07時30分ごろ高知港を出航した。
 A船及びB船は、南国市の南方沖に至った所でA船が右側に、B船が左側に位置し、両船での2そうびきによる船びき網漁を行う要領で網を引いて本件作業を開始し、陸岸に沿って約1.3ノットの速力で東進した。
 船長Aは、僚船が、ふだんから操業中にごみを回収し、袋に入れて保有していたので、‘B船の船尾方約150mで本件作業に参加していた僚船’(以下「C船」という。)のごみ袋を取りに行くこととした。
 船長Aは、引き索が、左右に振れてA船の進行方向が変わることを防ぐため、船首尾線上で固定されるように船尾甲板の両舷側からロープで結び、A船が南へ流されないように舵輪を僅かに左へ切った状態とし、船長BにC船の所へごみ袋を取りに行く旨を無線で伝え、船長Bから了解との返事を受けた後、A船の右舷船尾に接舷させていた船舶(以下「伝馬船」という。)に乗り、C船へ向かった。
 船長Aは、約1分後、C船に到着し、C船の乗組員と話をしているときに振り返ってA船及びB船を見たところ、A船がB船の方に向かって航行していたので、急いでA船に戻ることとした。
 船長Aは、A船の右舷船尾に着いた頃、A船が、B船の右舷中央(操舵室やや船尾寄り)付近に後方から接近する態勢で約2~3mの距離に迫っており、操舵室付近の右舷側で立った船長BがA船に向かって両手を前に突き出している状況を認めた。
 船長Aは、A船に移乗して船尾甲板右舷側に設けた操縦場所で舵輪を右に切り、次いで、操舵室に移動して舵輪を中央に戻したのち、網を揚げる頃だと思い、A船とB船とを接舷させるために船首へ行き、ふと船尾方を見た際、B船の操舵室右舷側の甲板上で頭部を船首方に向け、体の左側を下にして倒れている船長Bを認めた。
 船長Aは、A船及びB船の各操舵室前寄りのたつに綱を掛けて接舷したのち、船長Bの頰をたたき、名前を呼んだが、反応がなかったので、08時25分ごろC船の船長(以下「船長C」という。)に電話連絡し、A船に来るように依頼した。
 船長Cは、船長Bの様子を見て陸上に居る知人に電話連絡し、救急車の要請を依頼した。
 船長A及び船長Cは、船長Bを伝馬船に乗せ、約1分後、南国市浜改田の海岸に着き、救急車の到着を待った。
 船長Bは、到着した救急車で南国市の病院に搬送され、心タンポナーデ(胸部外傷などにより、心臓の外側の薄い膜(心膜)に血液がたまり、心臓の拡張期に十分拡張できなくなる状態となること。)による死亡と検案された。
 A船及びB船は、船長Aの親族ほか2人が、伝馬船で両船に向かい、それぞれに移乗して出航場所に戻された。
原因  本事故は、南国市の南方沖において、A船及びB船が2そうびきで本件作業中、B船の操舵室脇の通路に立っていた船長Bが、接近したA船の左舷船首付近の防舷材とB船の操舵室右舷側壁とに挟まれたため、発生したものと考えられる。
死傷者数 死亡:1人(第七寿一丸船長)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。