
| 報告書番号 | MA2015-7 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2014年09月01日 |
| 事故等種類 | 死傷等 |
| 事故等名 | 漁船第五正伸丸乗組員死傷 |
| 発生場所 | 岩手県大船渡市大船渡港東方沖 綾里埼灯台から真方位031°2.5海里付近 |
| 管轄部署 | 仙台事務所 |
| 人の死傷 | 死亡:負傷 |
| 船舶種類 | 漁船 |
| 総トン数 | 5~20t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2015年06月25日 |
| 概要 | 本船は、船長、甲板員A、甲板員Bほか4人が乗り組み、大船渡市魚市場で水揚げを終えた後、大船渡港東方沖に南北方向に敷設された定置網で錨綱等に付着した貝等の除去作業を行っていた。 船長と乗組員1人は、除去作業を終えた錨綱を定置網に戻すため、南北に計3本ある錨綱のうち、北側の錨綱から作業を開始し、錨綱の端から、はこ結び(係船時等に使用される結び方)のための遊びを持たせた箇所(端から約3m)に結ばれた巻きロープ(直径約30mmのポリプロピレン製ロープ)を、ビットを経由してキャプスタンで巻き上げ、本船の左舷船尾に錨綱の端を移動させた。 甲板員Aは、続いて中央の錨綱の作業を始め、錨綱の端から遊びを設けた箇所に巻きロープ(以下「本件巻きロープ」という。)を結び、ビットを経由してキャプスタンで巻き上げ始めたが、途中で巻き上げられなくなった。 甲板員Aは、操舵室左舷側の舷縁から顔を出して海中の錨綱及び本件巻きロープをのぞき込み、右隣には甲板員Bが同様の体勢でのぞき込んだところ、遊びを持たせていた錨綱の端が、本件巻きロープを結んでいた箇所から折り返して錨綱に絡み、絡みにより輪が生じているのを認めた。 甲板員Aは、錨綱の絡みを解くためにクレーンを使う旨の声を上げたので、近くにいた船長が操舵室前に設置されたクレーンのアームを左舷正横方向に旋回させ、クレーンのフックを本件巻きロープに引っ掛け、クレーン操作に当たる船長に引き上げ及び停止の合図をした。 船長は、甲板員Bの右隣に移動し、舷縁付近まで引き上げられた錨綱及び本件巻きロープを見たところ、錨綱の絡んだ端が見えなかったので、甲板員Aから更にクレーン操作の手合図があると思い、クレーンの操作レバー付近に戻ったところ、平成26年9月1日10時10分ごろ、「バツー」という大音が生じたので反射的に身を屈めた。 船長は、周囲の状況を確認したところ、甲板員Bは顔面から出血し、右顔面を下にした体勢で、甲板員Aは甲板員Bに被さるようにうつ伏せの体勢で、いずれも操舵室左舷側の甲板上に倒れており、本件巻きロープは破断して、クレーンのフックには、錨綱の絡みによって生じた輪が引っ掛かっているのを認めた。 船長は、他の乗組員に事態を知らせてクレーンのフックから錨綱を外すなどしたのち、本船を大船渡市鬼沢漁港に向けて発進させ、船長の指示を受けた乗組員が携帯電話で所属漁業会社に連絡した。 甲板員A及び甲板員Bは、漁業会社からの通報により、鬼沢漁港で待機していた救急車で病院に搬送されたが、甲板員Aは13時04分に頭部外傷により死亡し、甲板員Bは、頭蓋骨骨折、左急性硬膜外血腫、外傷性くも膜下出血及び脳挫傷と診断された。 |
| 原因 | 本事故は、本船が、大船渡港東方沖において、定置網に付着した貝等の除去作業中、錨綱の絡みを解くために、錨綱に結ばれた緊張した状態の本件巻きロープにクレーンのフックを引っ掛けて引き上げたため、本件巻きロープが破断したことにより発生したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | 死亡:1人(甲板員)、負傷:1人(甲板員) |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。