
| 報告書番号 | MA2015-7 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2014年10月17日 |
| 事故等種類 | 衝突 |
| 事故等名 | 油タンカー第十二松山丸引船第二海栄衝突(えい航索) |
| 発生場所 | 福島県いわき市塩屋埼東北東方沖 塩屋埼灯台から真方位060°5.4海里付近 |
| 管轄部署 | 仙台事務所 |
| 人の死傷 | 負傷 |
| 船舶種類 | タンカー:引船・押船 |
| 総トン数 | 3000~5000t未満:5~20t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2015年06月25日 |
| 概要 | A船は、船長A、航海士A1及び甲板長Aほか8人が乗り組み、茨城県鹿島港でVGOと称する油を積載し、平成26年10月17日15時20分ごろ北海道室蘭市室蘭港へ向けて出港した。 A船は、20時00分ごろ、航海士A1及び甲板長Aが、前直の航海士A2から右舷船首方約6Mに速度が遅い同航のB船がいるので注意するよう引継ぎを受けて船橋当直につき、針路016°(真方位、以下同じ。)、約12.5ノット(kn)の速力(対地速力、以下同じ。)で続航した。 航海士A1は、20時30分ごろ、8Mレンジとしたレーダー映像で、右舷船首方約4MにB船を確認した後、双眼鏡で白色灯1個を認め、20時40分ごろ右舷船首方2時(約60°)の方向に多数の白色及び赤色の点滅灯を視認し、ボンデン(漁網用の浮き)と思い、甲板長Aにその旨を報告した。 甲板長Aは、20時45分ごろレーダーを6Mレンジに切り替えてB船の映像を右舷船首方約2.5Mに認め、20時50分ごろ、右舷船首方のボンデンを避航しようと約3°左転し、B船の動向を監視するとともに、B船の船尾方に2個の白色点滅灯及びA船の右舷船首方に多数の白色及び赤色の点滅灯を視認し、全てボンデンであると思った。 甲板長Aは、21時00分ごろB船との距離が約1Mとなり、21時05分ごろ更に近くなったので、自動操舵から手動操舵に切り替えた。 甲板長Aは、21時10分少し前、先行するB船が左転したと思い、B船とその約100m後方に点滅する2個の灯火との間を通過しようと航海士A1に右舵20°を指示した後、2個の灯火を通過したことを右舷ウイングで確認し、針路023°として続航した。 甲板長Aは、21時30分ごろ、VHFで引船が転覆したとの情報を聞き、A船の航行経路及び時刻が転覆場所及び時刻に近いことから、A船が関与したのではないかと思い、船長Aに連絡した。 船長Aは、昇橋して状況を確認後、海上保安庁へ通報して指示を受け、福島県いわき市小名浜港に入港した。 A船は、入港後、バルバスバウ付近に擦過傷が認められた。 B船は、船長B、甲板員B1及び甲板員B2が乗り組み、それぞれ無人で空船の台船2隻(以下B船に近い方から順に「C船」及び「D船」という。いずれも長さ25m、幅9m、深さ1.8m、鋼製、積載重量300t)を、C船についてはB船から直径約65mm、長さ約180mのナイロン製ロープとブライドルで構成した長さ約200mのえい航索で、D船についてはC船から長さ約85mのえい航索でえい航して引船列(以下「B船引船列」という。)を構成した。 B船引船列は、B船には物件えい航中であることを示す法定灯火を表示した上、C船及びD船には標識灯5個ずつをそれぞれ点滅させ、自動操舵により、福島県東方沖を約7knの速力及び約011°の針路で航行していた。 甲板員B1は、18時00分から22時00分までの船橋当直につき、B船の灯火及び台船2隻の標識灯の点滅を確認し、また、レーダーでB船の左舷船尾方にA船の存在を認め、目視でも確認したが、B船引船列の船尾方を通過していくものと思った。 船長Bは、21時00分ごろ、操舵室後方で仮眠から目覚め、しばらくして後方を見たとき、左舷船尾方至近に接近し、更に右転してB船引船列に近づくA船を認め、衝突の危険を感じて甲板員B1に甲板員B2を呼ぶよう指示した後、自動操舵から手動操舵に切り替え、主機の操縦レバーを下げて減速した。 甲板員B1は、操舵室から左舷側通路を降りて船員室に入り、甲板員B2に事態を告げて上甲板左舷側に出たとき、A船がB船の後方を左舷側から右舷側に横切り、B船とC船との間のえい航索とA船の船首部とが衝突したことを認め、その後、B船が右舷側に傾いて転覆し、海に投げ出された。 甲板員B2は、船員室の寝台で横になっていたところ、主機の回転数が下がったことに気付き、甲板員B1から事態を告げられたものの、衣服を着用しているときにB船が傾き出して転覆し、船員室に取り残された。 船長Bは、B船が転覆した後、操舵室から脱出し、21時16分ごろ携帯電話で118番通報した。 船長B及び甲板員B1は、自力でB船まで泳ぎ、船底に上がっていたところを来援した巡視船に救助され、船長Bが、甲板員B2が船員室に取り残されていることを伝えた。 甲板員B2は、海上保安官によって救助された。 船長Bは、救急車で病院に搬送され、全身打撲、海水及び重油誤飲による肺炎と診断された。 C船及びD船は10月18日に、B船は22日に、えい航されて小名浜港の岸壁に着岸した。 |
| 原因 | 本事故は、夜間、塩屋埼東北東方沖において、A船及びB船引船列が共に北北東進中、甲板長Aが、右舷船首方を同航するB船の後方の点滅灯を視認した際、B船引船列の灯火を確認するなど、見張りを適切に行っていなかったため、ボンデンと思い込み、B船と点滅灯との間を通過し、また、甲板員B1が、左舷船尾方から同航するA船がB船引船列の後方を右舷方に通過すると思い、船尾方の見張りを適切に行っていなかったため、A船の接近に気付かず、B船引船列のえい航索にA船が衝突したことにより発生したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | 負傷:1人(第二海栄船長) |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。