JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2015-6
発生年月日 2014年12月19日
事故等種類 衝突
事故等名 セメント運搬船第三十すみせ丸引船ながとバージNO.8衝突
発生場所 長崎県平戸市南風埼北方沖(平戸瀬戸)  南風埼灯台から真方位354°180m付近
管轄部署 長崎事務所
人の死傷
船舶種類 貨物船:引船・押船:非自航船
総トン数 200~500t未満:20~100t未満:500~1600t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2015年05月28日
概要  A船は、船長A及び甲板長Aほか3人が乗り組み、甲板長Aが単独で船橋当直につき、約11.5ノット(kn)の速力(対地速力、以下同じ。)で手動操舵により、航海灯を表示し、平戸瀬戸北口の平戸市広瀬北方沖を南西進した。
 甲板長Aは、広瀬北西方沖の変針点の手前において、船長Aに昇橋を促す頃だと思っていたが、平成26年12月19日05時59分ごろ、1.5海里(M)レンジとしたレーダーで南風埼南方沖にB船及びC船の映像を認め、引船が台船をえい航し、北進しているものと思い、B船との距離が近く感じたので、船長Aを呼ぶ前にB船及びC船を避航しようと思った。
 A船は、広瀬北西方沖で左に変針し、北方へ流れる潮流の影響を受けて約10.4knの速力で南進中、甲板長Aが、B船の縦に連掲した灯火とその下方に緑灯1個を、C船の点滅灯数個をそれぞれ視認し、B船がC船をえい航(以下「B船引船列」という。)していることを確認した。
 甲板長Aは、通常、平戸瀬戸を南進する場合、同瀬戸の右側(西側)を航行していたが、B船引船列が平戸瀬戸の西水道(広瀬西方の水道、以下「西水道」という。)に向けて北上するものと思い、同瀬戸の左側(東側)に寄せてB船引船列と右舷対右舷で通過するため、平戸市牛ケ首北西方沖で左に変針した。
 甲板長Aは、牛ケ首西方沖を南南東進中、B船の緑灯が見えており、牛ケ首南西方沖で右に変針して南進する針路とした頃、B船の両舷灯が見え、その後、B船の紅灯が見えるようになったので、左側(東側)の陸岸が近かったものの、B船引船列を避航するために左へ旋回して1回転しようと思い、左舵一杯を取った。
 A船は、南風埼北方沖を左に旋回中、甲板長Aが機関を中立にしたものの、06時03分ごろ、A船の右舷中央部付近とC船の左舷船首部とが衝突した。
 A船は、南風埼に接近していたので、甲板長Aが機関を全速力後進にかけたが、南風埼に乗り揚げた。
 船長Aは、自室で待機していたところ、ドーンという衝撃音を聞いて昇橋し、周囲の状況等を確認した後、船舶所有者及び海上保安庁へ事故の通報を行った。
 A船は、サルベージ会社のタグボートに引かれて離礁した後、平戸市川内湾に錨泊した。
 B船は、船長Bほか2人が乗り組み、C船をえい航してB船引船列を構成し、船長Bが単独で船橋当直につき、レーダー及びGPSプロッターを作動させ、約8knの速力で手動操舵により、南風埼南方沖を北北西進した。
 B船は、船尾のえい航フックに掛けた直径約45mmのえい航索を約50m伸出し、C船の船首両舷のボラードに掛けた直径約22mm、長さ約15mのワイヤロープとシャックルでY字に連結しており、マスト灯3個、両舷灯、引き船灯及び船尾灯を表示し、C船は、右舷船首に緑色点滅灯を、左舷船首に赤色点滅灯を、船尾両舷に白色点滅灯をそれぞれ表示していた。
 船長Bは、06時01分ごろ、南風埼南方沖において、0.5Mレンジとしたレーダーで牛ケ首西方沖を南進するA船の映像を認め、その後、目視でA船の緑灯及び白灯を視認し、A船の態勢に疑問を抱いた。
 B船は、06時02分ごろ、南風埼灯台を右舷側に見て通過した後、平戸瀬戸の右側(東側)に寄って航行するため、右に変針した。
 船長Bは、変針した頃、まだA船の緑灯が見えていたので、A船に向けて探照灯で照射したところ、A船の両舷灯が見えるようになった後、A船の紅灯のみが見えるようになったが、その後、再度、緑灯が見えるようになった。
 B船は、A船の船首付近を通過し、船長Bが機関を中立にした後、C船とA船とが衝突した。
 B船は、乗組員が船尾甲板に出て、えい航索を手で引いたところ、えい航索に連結していたワイヤロープが切断しており、C船が漂流していることが分かったので、船長Bが運航会社の担当者に事故の連絡を行い、海上保安庁等への事故の通報を依頼した後、C船に横着けして平戸瀬戸北方の安全な海域に向かった。
原因  本事故は、夜間、平戸瀬戸において、A船が南進中、B船引船列が北進中、甲板長Aが、B船引船列と右舷対右舷で通過しようとして平戸瀬戸の左側(東側)を航行したため、A船とC船とが衝突したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。