JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2015-6
発生年月日 2014年08月02日
事故等種類 転覆
事故等名 瀬渡船15号栄福丸転覆
発生場所 和歌山県由良町の黒島北西岸沖  衣奈港A防波堤灯台から真方位325°2,340m付近
管轄部署 神戸事務所
人の死傷
船舶種類 瀬渡船
総トン数 5t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2015年05月28日
概要  本船は、船長が1人で乗り組み、由良町衣奈漁港北方に位置する黒島の北西端付近のサンキチと称する磯(以下「本件磯」という。)に渡した釣り客から、波が高いので迎えに来てほしい旨の連絡を受けて本件磯付近に至り、船長が、本件磯に着けるタイミングを計るため、うねりの周期に合わせて2~3回程度前後進を行ったのち、前進して船首を本件磯に着け、釣り客が乗船して来ることを待った。
 船長は、うねりが引く際に船尾が下に落ち込んだので、その状態で釣り客を乗船させれば、釣り客が低い位置で本船に乗り込むこととなり、次のうねりが来たときに本船が持ち上げられて船首が釣り客に当たるおそれがあるので、危険であると判断し、機関を後進にかけて本船を約3~4m後退させた。
 本船は、次のうねりを船尾方から受けて船体が持ち上がるとともに右舷方からの波を受け、右舷側が持ち上げられて左舷側に傾斜し、左舷舷側が海水に漬かって前部甲板上に浸水した。
 船長は、本船が復原すると思っていたが、左舷側に傾斜した状態から戻らなかったので、操舵室左舷側の扉から脱出しようとしたものの、流入していた海水によって脱出できずにいたところ、平成26年8月2日05時20分ごろ本船は転覆した。
 船長は、操舵室に海水が充満したのちに船外へ脱出し、本船の船底に上がり、本件磯にいた釣り客に船舶所有者への電話連絡を依頼した。
 船舶所有者は、衣奈漁港の渡船受付にいたところ、自宅からの電話を受け、本船が転覆し、船長の救助を要請する電話が釣り客からあったと聞き、他の所有船に従業員と共に乗り、船長の救助に向かった。
 船舶所有者は、本件磯付近に至り、本船から船長を移乗させ、従業員に操船を委ねて衣奈漁港へ帰らせることとし、自らは、沖に出ていたもう1隻の所有船に移って操船を行い、本件磯及びその東方の磯に瀬渡しした7人の釣り客を収容して衣奈漁港へ帰った。
原因  本事故は、本船が、黒島北西岸沖において、本件磯に着けて釣り客を乗船させようと待機中、うねりを受け、船尾が持ち上げられるとともに右方の岩場に当たって反射した波を右舷側に受けたため、右舷側が持ち上げられて左舷側に傾斜し、転覆したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。