JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2015-5
発生年月日 2014年06月29日
事故等種類 衝突
事故等名 貨物船有駿プレジャーボートMAY衝突
発生場所 和歌山県串本町潮岬半島西方沖   江須埼灯台から真方位200°3.6海里(M)付近
管轄部署 神戸事務所
人の死傷 負傷
船舶種類 貨物船:プレジャーボート
総トン数 200~500t未満:5~20t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2015年04月23日
概要  A船は、船長A、航海士A及び機関長Aほか1人が乗り組み、潮岬半島西方沖において、航海士Aが船橋前面のほぼ中央にある操舵スタンドの前に立って航海当直に就き、また、機関長Aが航海士Aの航海当直の補佐として船橋前面の左舷側に立ち、自動操舵により約9ノット(kn)の速力で西進していた。
 機関長Aは、右舷前方を注視している航海士Aに気付き、双眼鏡を使用して右舷前方を確認したところ、B船を認め、B船が停泊しているものと思い、B船と距離を隔てて通過できるように針路を少し左に取ることを航海士Aに助言した。
 航海士Aは自動操舵により約10°左方に針路を転じた。
 機関長Aは、しばらく航行した後、B船がA船の進路を右から左に横切る針路で航行していることに気付き、B船の船尾方を通過することを航海士Aに助言した。
 航海士Aは自動操舵により針路を約30°右方に転じた。
 機関長Aは、B船がA船の前方を通過し、左舷船首15°付近にB船を見る状況となったので、B船との衝突のおそれはなくなったと思い、後方の確認を行うために船橋の右舷後部に移動し、同様に右舷側に移動した航海士Aと共に後方を確認した後、目を前方に向けたところ、B船がA船の進路を左舷から右舷に横切る態勢であることに気付き、B船と衝突するおそれを感じた。
 航海士Aは、機関長AからB船の船尾方を通過すること及び汽笛を吹鳴することの助言を受け、手動操舵で左舵一杯とし、汽笛を吹鳴しようとして汽笛の遠隔スイッチを押したものの、汽笛が吹鳴しなかった。
 A船は、平成26年6月29日09時38分ごろその船首とB船の右舷側とが衝突し、その後機関を後進とした。
 船長Aは、衝撃に気付いて船長室の窓から船首方を見たところ、A船の船首部に引っ掛かっているB船を認め、B船と衝突したことを知り、昇橋して海上保安庁に通報した後、船尾が海中に没した状態で漂流していたB船に向けて回頭したものの、B船は間もなく沈没し、漂流していた船長B及び船舶所有者Bを救助した。
 A船は、海上保安庁による調査を受けた後、自力で航行して和歌山県田辺港に入港した。
 B船は、船長Bが1人で乗り組み、船舶所有者Bを乗せ、潮岬半島西方沖において、船舶所有者Bにトローリングによるかじき一本釣りの技法を教えながら、約7knの速力で南東方に向けて航行していた。
 B船は、竿に反応があったものの、仕掛けが外れたので、再び竿を設置し直すこととし、船長B及び船舶所有者Bが、船尾甲板から仕掛けを投入した釣り糸の調整をしていたところ、B船とA船とが衝突した。
 船長B及び船舶所有者Bは、衝突後間もなくB船が船尾から沈み始めたので、沈没の危険を感じて海に飛び込み、浮いていたB船のフェンダ及び救命浮環にそれぞれつかまっていたところをA船に救助された。
 船長B及び船舶所有者Bは、到着した巡視艇に移乗して病院に搬送され、船長Bは腰椎骨折と、船舶所有者Bは頭部の打撲と、それぞれ診断された。
原因  本事故は、潮岬半島西方沖において、A船が西進中、B船がトローリング中、航海士A及び機関長AがB船に対する見張りを適切に行っていなかったため、B船が前路を左方から右方に横切る態勢となったことに気付くのが遅れ、また、船長Bが、船尾甲板から仕掛けを投入した釣り糸の調整をすることに意識を集中し、周囲の見張りをしていなかったため、A船に気付かず、両船が衝突したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 負傷:2人(MAY船長及び船舶所有者)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。