JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2015-4
発生年月日 2014年06月23日
事故等種類 衝突
事故等名 遊漁船TAMARISK小型兼用船第十八海進丸衝突
発生場所 北海道苫小牧市苫小牧港内  苫小牧港東港地区東防波堤灯台から真方位335°3,830m付近
管轄部署 函館事務所
人の死傷 負傷
船舶種類 遊漁船:その他
総トン数 5~20t未満:5t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2015年03月26日
概要  A船は、船長Aが1人で乗り組み、釣り客6人を乗せ、何度か釣り場を移動した後、平成26年6月23日12時30分ごろ、苫小牧港東港区(以下「東港」という。)西方1海里(M)付近でシーアンカーを船首から投下し、船首を西方に向けて漂泊して釣りを行った。
 船長Aは、A船の周囲に漂泊中の2隻のプレジャーボート及び東港の港口付近に漂泊中のB船を認め、それぞれが釣りをしているものと思った。
 船長Aは、船内を歩き回って釣り客の手伝いをしながら船尾方を見たところ、東港の西方付近を北方の陸岸へ向けて北西進するB船を認め、その後、B船が南西進してA船に向けて接近していることに気付いたが、B船がA船の右舷船尾方から左舷船尾方へ通過して行くように見えたので衝突することはないものと思い、釣り客の手伝いを続けた。
 船長Aは、再度船尾方を見たところ、B船がA船の船尾方約150~200mのところでA船に向けて変針したのを認めたので、船尾甲板上からB船に向けて両手を挙げて大声で叫んだ。
 A船は、船長Aが、衝突の危険を感じて釣り客に船首甲板への移動を促すとともに、操舵室へ移動して機関を始動したが、12時50分ごろ、その船尾右舷側とB船の船首が衝突した。
 船長Aは、船長Bと対話をした後、所属マリーナに携帯電話で連絡し、来援した所属マリーナの船舶に釣り客を移乗させて自力で所属マリーナへ戻り、衝突時に身体を打ちつけた釣り客5人が病院で受診し、それぞれ打撲、捻挫等と診断された。
 B船は、船長Bが1人で乗り組み、水質測定の調査員2人を乗せ、苫小牧港西港区の漁港区を出航して東港内外各所の水質測定を終え、東港地区内防波堤(A)と東港地区内防波堤(B)の間を通って東港の西方に出た。
 船長Bは、東港の西方2M付近に設定された次の水質測定地点(以下「本件測定地点」という。)へ向かうため1.5Mレンジとしていたレーダーで西方を確認したところ、3個の映像を認めたが、船舶なのか浮き球なのか判断ができなかったものの、距離が離れているので大丈夫と思った。
 船長Bは、波が高いように感じたので、船首甲板左舷側にいる調査員2人に波が被らないように、風と波が弱い北方の陸岸寄りの針路を取って本件測定地点へ向かおうと思い、対地速力約13ノットで北西進した。
 船長Bは、もう波を被ることはないものと思い、本船は、徐々に左転して南西進した後、本件測定地点へ向けて右転して西進した。
 船長Bは、往航時に東港西方沖を航行した際、周囲に他船がいなかったので、復航時も他船はいないものと思い、本件測定地点の位置を確認するため、操舵室後方の棚に腰を掛けて前屈みの姿勢でGPSプロッターの操作を始めた。
 船長Bは、GPSプロッターの画面を見ていた際、12時50分ごろ、衝突の衝撃を感じて機関を中立とし、B船がA船の船尾右舷側を押していることに気付き、機関を後進とした。
 船長Bは、船長Aと対話をした後、所属漁業協同組合及び僚船に携帯電話で連絡し、来援した僚船2隻に伴走されて自力で苫小牧港西港区の漁港区へ戻った。
原因  本事故は、苫小牧港内において、A船が漂泊して釣り中、B船が西進中、船長Bが、東港西方沖に他船はいないものと思い、操舵室後方の棚に腰を掛けてGPSプロッターの操作に意識を集中し、見張りを行っていなかったため、前路で漂泊して釣り中のA船に気付かず、A船に向けて変針し、両船が衝突したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 負傷:5人(TAMARISK釣り客)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。