
| 報告書番号 | MA2015-3 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2014年02月17日 |
| 事故等種類 | 転覆 |
| 事故等名 | 漁船双葉丸転覆 |
| 発生場所 | 千葉県銚子市犬吠埼北東方沖 犬吠埼灯台から真方位038°6.2海里(M)付近 |
| 管轄部署 | 横浜事務所 |
| 人の死傷 | 死亡:負傷 |
| 船舶種類 | 漁船 |
| 総トン数 | 5~20t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2015年02月26日 |
| 概要 | 本船は、船長、乗組員A及び乗組員Bが乗り組み、犬吠埼北東方沖の漁場で底引き網の揚網作業中、開口板(網口を広げるための板)を船尾端の両舷に固定して手綱を巻き揚げた後、主機のクラッチを中立として袖網を揚げていたところ、波が左舷船首方から繰り返し打ち込むようになった。 乗組員2人は、船尾上方の滑車に通した1本のロープの一端をコッド(袋網)に取り付け、ロープのもう一端をウィンチのドラムに巻いてコッドを揚げようとしたが、多量の漁獲物でロープが切れたので、コッドに取り付けるロープを2本にして巻き揚げていた。 乗組員Aは、コッドを吊り上げた頃から、打ち込んだ海水が、放水口から排出しきれず、左舷側の甲板上に滞留する状況を認めた。 船長は、コッドに取り付けた2本のロープを巻き揚げたところ、船体が左舷側に傾いた状態となり、船首を風の来る方向に向けようと、ウィンチの操作から離れて操舵室に入り、主機を前進にかけた。 乗組員2人は、船体の傾斜を直そうと、コッドの上網は吊り上げた状態で、船尾甲板に降ろせる位置まで揚がっていたコッドの下網を船尾甲板の右舷中央寄りに置き、更に海水ポンプを運転して船尾甲板下右舷側の魚倉に海水を張ったが、傾きは戻らず、左舷側のブルワークの高さまで海水で一杯となった状況を認めた。 本船は、乗組員2人が、コッドの下網を船尾甲板の右舷側に倒したとき、漁獲物が左舷側に流れ出したので、左舷側に移動して甲板上に滞留した海水に浸かりながら漁獲物を海へ捨てていたところ、平成26年2月17日08時30分ごろ左舷側への傾斜が増して転覆した。 乗組員Aは、海中に投げ出され、自力で転覆した船底にはい上がり、着ていた雨合羽を脱いで周囲を見たところ、漂流している船長を認め、船長に向かって泳いだが、近づくことができなかった。 乗組員Aは09時00分ごろ来援した僚船に、船長は09時30分ごろ来援した別の僚船にそれぞれ救助され、銚子港で待機していた救急車に引き継がれて病院へ搬送された。 所属の漁業協同組合は、僚船から事故の連絡を受けて海上保安庁へ通報した。 船長は、10時55分ごろ死亡が確認され、死因は、溺水と検案され、乗組員Aは、低体温症と診断され、その後、別の病院に搬送されて誤嚥性肺炎、肺水腫及び急性腎不全と診断された。 乗組員Bは、海上保安庁の巡視船艇及び航空機等、千葉県警の警備艇及びヘリコプター、茨城県警の警備艇及び茨城県防災のヘリコプター、僚船などによる捜索が行われたものの、発見されなかった。 本船は、所属する漁業協同組合の漁船に銚子港までえい航された後、陸揚げされた。 乗組員Bは、後日、死亡届によって除籍された。 |
| 原因 | 本事故は、本船が、犬吠埼北東方沖で底引き網の揚網作業中、波が左舷船首方から繰り返し打ち込んで左舷側に傾斜している状況下、多量の漁獲物が入ったコッドを船尾上方の滑車で吊り上げたため、船尾部の乾舷が減少して左舷側の放水口が水面下となり、海水が左舷側の甲板上に滞留し、船体の傾斜を直そうと船尾右舷側の魚倉に海水を張ったところ、更に船尾部が沈んで甲板上の海水量が多くなり、傾斜が増加して転覆したことにより発生した可能性があると考えられる。 |
| 死傷者数 | 死亡:2人(船長及び乗組員)、負傷:1人(乗組員) |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。