
| 報告書番号 | MA2015-1 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2013年12月21日 |
| 事故等種類 | 死傷等 |
| 事故等名 | 液化ガス運搬船第三徳誉丸乗組員死亡 |
| 発生場所 | 愛知県田原市伊良湖岬西方沖 伊良湖岬灯台から真方位279°6.1海里(M)付近 |
| 管轄部署 | 横浜事務所 |
| 人の死傷 | 死亡 |
| 船舶種類 | タンカー |
| 総トン数 | 500~1600t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2015年01月29日 |
| 概要 | 本船は、船長及び司厨長ほか5人が乗り組み、兵庫県姫路市姫路港で揚げ荷役を終えた後、積荷役のため、三重県四日市市四日市港に向かった。 本船は、運航者からの連絡により、貨物タンクに残った液化プロピレンガス(以下「本件ガス」という。)を大気放出して貨物タンク内の圧力を下げる作業(以下「減圧作業」という。)を行うように指示を受け、外洋が時化ていたため、伊勢湾に入ってから実施することとした。 船長は、伊良湖水道航路を航行中、船橋で乗組員に対し、減圧作業を行う際の注意事項等について、作業分担及び作業手順が記載された減圧作業配置表に基づいて説明を行った。 本船は、平成25年12月21日09時37分ごろ伊良湖水道航路を通過し、09時41分ごろ伊勢湾第3号灯浮標を左に見て左転した後、船長が、船橋当直に就き、針路を真方位270°に定めて自動操舵とし、対地速力約11ノット(kn)で航行しながら、減圧作業の準備を行った。 司厨長は、居住区に3か所ある水密扉を閉鎖した後、船橋楼の前に立ち、貨物タンクの上部に設けられた通路(以下「フライングパッセージ」という。)の中央部付近にいた一等航海士に対し、両手で頭上に輪を作り、自分が担当する準備作業が完了した旨の合図を送った。 一等航海士は、司厨長からの合図を受け、船長へ減圧作業の準備が完了した旨の報告を行い、船長から減圧作業開始の指示を受け、左舷マニホルドの周辺に人がいないことを確認した後、配置に就いていた乗組員に‘マニホルドの荷役配管の先端部に取り付けられた弁’(以下「先端弁」という。)及び‘荷役配管の中央部に取り付けられた弁’(以下「中間弁」という。)の開放を指示し、開放を確認した後、‘貨物タンクの荷役用元弁’(以下「本件元弁」という。)前の配置に就いていた乗組員に本件元弁の開放を指示した。 船長及び一等航海士は、大音響と共に左舷マニホルドから本件ガスが放出される状況を確認した。 船橋楼前にいた乗組員の1人及び本件タンク上部にいた乗組員の1人(以下「乗組員A」という。)は、09時50分ごろ、伊良湖岬西方沖において、司厨長が、本件ガスにより、左舷マニホルド近くの舷側から2~3m離れた海上へ飛ばされるところを目撃し、一等航海士を介して船長へ連絡した。 船長は、海面に浮いていた司厨長に向け、浮力を確保するとともに、救出時の目印となるよう、船橋の左舷ウイングにあった救命浮環を投げ入れ、また、乗組員に対し、司厨長を見失わないように指示を出し、本船を風上から司厨長へ接近させた。 司厨長は、落水時、うつ伏せで身動きをせず、気絶したような状態で浮いており、投下された救命浮環を掴まなかった。 本船は、10時00分ごろ司厨長から約40mまで近づき、乗組員Aが、船橋楼前部でボートフックを用意し、救助する準備をしていたところ、沈み始めていた司厨長を見失った。 本船は、10時05分ごろ海上保安庁へ救援を要請し、10時07分ごろ船舶所有者へ事故の発生を知らせた。 巡視艇3隻、警察警備艇1隻、海上保安庁航空機1機、警察及び消防の回転翼機各1機等が12月23日の日没時まで捜索を続けた。 本船は、21日19時00分ごろ、海上保安庁からの指示に従って捜索を終了し、再度、減圧作業を行って愛知県名古屋港の指定錨地に向かった。 司厨長は、発見されず、後日、除籍された。 |
| 原因 | 本事故は、本船が、伊良湖岬西方沖を西進中、司厨長が、一等航海士に水密扉の閉鎖を完了した旨の合図を送った後、本件タンクの減圧作業が行われていたところ、本件ガスが放出されている左舷マニホルドの前に移動したため、本件ガスにより、飛ばされて落水したことにより発生したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | 死亡:1人(司厨長) |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。