JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2014-12
発生年月日 2013年11月06日
事故等種類 衝突
事故等名 引船三洋丸台船D-306漁船仁栄丸衝突
発生場所 福岡県福岡市西浦埼西方沖  福岡市所在の西浦岬灯台から真方位275°2.8海里(M)付近
管轄部署 門司事務所
人の死傷
船舶種類 引船・押船:非自航船:漁船
総トン数 5~20t未満:500~1600t未満:5~20t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2014年12月18日
概要  A船は、船長A及び甲板員Aほか1人が乗り組み、無人で空船のB船を、直径65mm、長さ約100mのロープでえい航して引船列(以下「A船引船列」という。)を構成し、A船には物件えい航中であることを示す法定灯火を表示した上、マスト頂部の黄色回転灯を点灯し、B船には標識灯6個を取り付けて点滅させ、自動操舵により、西浦埼西南西方沖を約6.5ノット(kn)の速力(対地速力、以下同じ。)及び約045°(真方位、以下同じ。)の針路で航行していた。
 甲板員Aは、平成25年11月6日21時ごろに昇橋したもう1人の甲板員と共に船橋当直中、3Mレンジとしたレーダー画面により、A船の左舷やや船尾方約3MにC船の映像を認めて目視でも確認し、C船が東進していることを知り、その後、動静の監視を続けていたところ、ほぼ方位変化がなく、約1.5MにC船を見るようになって若干の危険を感じ、A船がB船をえい航中であることを知らせるために、A船の船尾側探照灯でB船を照射した。
 甲板員Aは、依然ほぼ方位変化がなく、約0.5MにC船が接近した頃、A船の船首側探照灯をC船に向けて2、3回点滅照射したが、針路及び速力を保持し、北東進を続けていたところ、西浦埼西方沖において、C船がA船引船列の船尾付近を通過したように見えた。
 甲板員Aは、その後、A船の船尾側探照灯を消灯し、北東進を続けていたところ、A船引船列を追尾するように再接近するC船を認め、再びA船の船尾側探照灯を点灯し、減速したが、C船から何の合図もないので不審に思い、船長Aを起こした。
 甲板員Aは、船長Aに状況を報告した後、続航することとして速力を戻し、並走と追尾を繰り返すC船を見ながら航行を続けていたところ、海上保安庁の巡視艇が来て停船を求められ、C船と衝突した旨を知らされた。
 C船は、船長Cほか2人が乗り組み、法定灯火を表示し、福岡市博多漁港に向け、自動操舵により、主機の回転数毎分(rpm)を約900として西浦埼西方沖を約090°の針路で東進中、単独で船橋当直中の船長Cが、3Mレンジとしたレーダー画面により、C船の右舷前方に北東進する船舶の映像を認めた。
 船長Cは、レーダー画面上で当該船舶の映像が1つに見え、その大きさから、数百トン級の鋼船が航行しているものと思い、右舷側の窓を開けて目視で確認したところ、A船のマスト頂部の黄色回転灯及びその下に作業灯らしき照明で照らされた船橋に続く階段を見て、そこが船尾船橋であると思った。
 船長Cは、その後、目視によってA船の動静の監視を始め、黄色回転灯を目安にして船間距離を目測し、A船の船尾方を通過するつもりで東進を続け、黄色回転灯が距離を隔ててC船の船首方を通過した頃、船体に動揺を感じたが、A船の航走波によるものと思って航行を続けた。
 船長Cは、数分後、操舵室から右舷側甲板上の通路へ出たところ、船首ハンドレールから操舵室付近までの舷縁上に張っていたワイヤロープが弛んでいることに気付き、不審に思って甲板上を見渡し、船首部に損傷を生じていることを知って停船した。
 船長Cは、乗組員に損傷状況を確認させ、何によって生じたものかと思案していたが、A船以外に思い当たるものが無いので、A船の追尾を開始した。
 船長Cは、A船に接近するにつれて点滅する灯火を認めるようになり、更に接近して点滅する灯火がB船のものであることが分かり、A船がB船をえい航中の引船であったことに気付き、A船に向けて探照灯を照射したが、停船しないので、携帯電話で118番通報を行い、巡視艇が到着するまでの間、A船引船列の周囲を移動してB船の衝突箇所を探しながら追尾を続けた。
 A船引船列及びC船は、巡視艇到着後、指示を受けて福岡市博多港に入港した。
原因  本事故は、夜間、西浦埼西方沖において、A船引船列が北東進中、C船が東進中、甲板員Aが、初認時から明確な方位変化がない状態で接近するC船に対し、探照灯で点滅照射を行ったものの、針路及び速力を保持して航行を続け、また、船長Cが、レーダー映像により、A船引船列を1隻の船舶と認識し、A船の黄色回転灯付近を船尾船橋であると思い込み、黄色回転灯に注意を向け、B船に気付かなかったため、B船とC船とが衝突したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。