JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2014-11
発生年月日 2014年04月10日
事故等種類 死傷等
事故等名 漁船明誠丸乗組員死亡
発生場所 長崎県佐世保市宇久島西方沖  長崎県小値賀町所在の斑島灯台から真方位292°11.8海里付近
管轄部署 長崎事務所
人の死傷 死亡
船舶種類 漁船
総トン数 5~20t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2014年11月27日
概要  本船は、船長、甲板員A及び甲板員Bが乗り組み、宇久島西方沖で船尾から刺し網の投網中、操舵室で操船していた船長が、船尾方から足が掛かったという声を聞き、すぐに操縦レバーを停止位置とし、続いて後進側としたが、前進行きあしは止まらず、操舵室から船尾方を振り返った時、網と共に落水する甲板員Aを見た。
 船長は、操縦レバーを後進側から停止位置とし、船内に残っていた網を左舷船尾のたつに巻き付けて網の繰出しを止め、落水した甲板員Aが、長靴が脱げて足が網から外れたものの、船尾から約2m離れた所で網に絡まり、身動きがとれずに浮子綱につかまっていることを視認した。
 船長は、海に飛び込み、甲板員Bから包丁を受け取って刺し網を切り、11時08分ごろ甲板員Bに網を手繰らせて甲板員Aを左舷船尾の舷側まで引き寄せさせた。
 甲板員Bは、操舵室左舷側にあるサイドローラを使って網を巻き上げたが、甲板員Aを船内に揚収することができず、船長が、甲板員Aに巻き付けたロープを引き上げ、たつに巻き付けて甲板員Aの呼吸を確保したところ、ロープがきつくて苦しいと甲板員Aが言うので、ロープを緩めた。
 船長は、甲板員Aが呼吸できるよう、海中から持ち上げていたが、甲板員Aが意識を失ったので、舷外に張り出していた右舷船首にある揚網用ローラで早く船内に揚収しようとし、甲板員Bにロープを引かせて甲板員Aを右舷船首の舷側まで移動させ、揚網用ローラで揚収させた。
 船長は、右舷中央部付近の海面下に取り付けられたがぶり止めと呼称される水平安定板に足を掛けて船内にはい上がり、甲板員Bと共に宙づり状態の甲板員Aを船内に揚収し、甲板員Aが心肺停止状態だったので、11時25分ごろ人工呼吸を始め、甲板員Bに操船させて宇久島の神ノ浦漁港に向かわせ、航行中に救急車の要請を行わせた。
 甲板員Aは、本船が神ノ浦漁港に入港後、救急車及びドクターヘリコプターで診療所に搬送されたが、死亡が確認され、溺水と検案された。
原因  本事故は、本船が、宇久島西方沖で刺し網の投網中、甲板員Aが、足を網に絡ませて落水し、網から足が外れたものの、船内に揚収されるまでに時間を要しており、その間に海水を誤嚥したため、溺水したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 死亡:1人(甲板員)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。