
| 報告書番号 | MA2014-11 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2012年01月28日 |
| 事故等種類 | 衝突 |
| 事故等名 | 貨物船MARINE HORNBILL引船辰甲丸台船○辰2001号引船大陽丸衝突 |
| 発生場所 | 岡山県倉敷市水島港 水島港西1号防波堤灯台から真方位133°2,450m付近 |
| 管轄部署 | 広島事務所 |
| 人の死傷 | |
| 船舶種類 | 貨物船:引船・押船:非自航船:引船・押船 |
| 総トン数 | 5000~10000t未満:100~200t未満:500~1600t未満:100~200t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2014年11月27日 |
| 概要 | A船は、船長Aほか17人(ベトナム社会主義共和国籍)が乗り組み、スチールコイル約3,000tを積載し、船長Aが操船の指揮をとり、三等航海士を見張りに、操舵手を手動操舵にそれぞれ就け、正規の航海灯を表示し、着岸作業を支援するD船が先行する態勢で倉敷市上濃地島西方沖から水島港内の着岸予定地に向かった。 船長Aは、水島港の港内航路に入る前、D船からVHF無線電話17chにより、出港船を右側に行かせるので、A船は左側を行って下さいとの連絡を受けた。 A船は、平成24年1月28日23時11分ごろ港内航路に入り、その後、船長Aが、水島港港内航路第5号灯浮標(以下、水島港港内航路の灯浮標の名称については、「水島港港内航路」を省略する。)の北西方沖にB船をレーダーで探知し、B船の白灯3個及び緑灯を確認した。 船長Aは、B船がコンテナを積んだC船をえい航した引船列(以下「B船引船列」という。)を構成し、A船に接近していることを認め、A船の存在を知らせようと思い、B船に向かって発光信号を何度か行ったが、応答がなく、B船引船列と右舷を対して通過するため、予定針路の322°(真方位、以下同じ。)となった後も針路を少しずつ左に転じ、速力(対地速力、以下同じ。)約8.6ノット(kn)で航行を続けた。 船長Aは、23時14分ごろB船が針路を右に転じていることに気付き、不安を感じてゆっくりと減速を始め、その頃第5号灯浮標近くに移動していたD船に対し、B船との通過方法について、VHF無線電話17chで何度か確認したところ、出港船を右側に行かせるので、A船は左側を行って下さいとの回答を受け、紅灯を見せ始めたB船と右舷を対して通過することに不安を抱くようになった。 船長Aは、B船と約0.2海里に接近した23時17分ごろ、機関を後進にかけ、右舵一杯を取り、23時18分ごろ、A船が速力約7.4knで船首が約324°を向いて機関の後進回転が始まりだした頃、A船の船首がC船の船首中央付近に衝突し、えい航索を切断した。 船長Aは、極微速力で航行を続けながら、乗組員及び船体の安全を確認し、備讃瀬戸海上交通センター(以下「備讃マーチス」という。)から、本事故の発生を問い合わせる連絡を受けた後、C錨地に向かった。 B船は、船長Bほか3人が乗り組み、コンテナ64個を積載したC船の船首両舷からY字状に取った2本のワイヤロープの先にB船の船尾から伸ばした長さ約50mのロープをつなぎ、B船の船尾からC船の船尾までの長さを約125mとし、22時20分ごろ水島港玉島6号ふ頭を出港した。 船長Bは、単独の船橋当直に就き、B船に連掲したマスト灯3個、両舷灯、船尾灯、引船灯及び黄色回転灯1個を、C船に両舷灯をそれぞれ表示し、舵輪の前に立ってリモコンを使用した手動操舵により、水島港のJFE南側海域を機関の回転数毎分(rpm)を約280として速力約4.2~5.5knで東南東進した。 船長Bは、水島港西1号防波堤灯台を過ぎて間もなく倉敷市濃地諸島の島陰の中に入港する態勢のA船の白灯1個を視認し、間もなく別の白灯1個を視認するようになり、A船は港内航路を北進する入港船なので、A船の航行の支障とならないように濃地諸島に寄って航行しようと思い、針路を東南東から南東へゆっくりと転じながら航行を続けた。 船長Bは、濃地諸島の島陰からA船が出て来ることを認め、A船北方の遠く離れた場所にD船がいることに気付いた。 船長Bは、A船が針路を徐々に左に転じてB船の方に向かって来ていることに気付き、A船の監視を行いながら、針路をゆっくりと右に転じて航行を続け、第1号灯浮標及び第3号灯浮標の見え具合から濃地諸島が近いことを知り、機関を200rpmにしたが、これ以上濃地諸島に接近したら危険な上、A船が紅灯を見せずに接近を続けるので、急激に左転したところ、A船とC船とが衝突した。 船長Bは、衝突後、近くにD船がいることに気付いた。 D船は、船長Dほか2人が乗り組み、A船の着岸支援作業に従事するため、22時00分ごろ水島港西公共ふ頭を離れ、A船が待つ上濃地島西方沖の海域に向かった。 D船は、船橋に1基のVHF無線電話を装備しており、船長Dが操船を指揮するとともに、VHF無線電話17chを使用してA船と交信していた。 船長Dは、上濃地島西方沖でA船と合流した後、A船に先行する態勢で航行を始め、第3号灯浮標東方の港内航路中央付近で待機し、A船が上濃地島の南側から出て来ることを確認した。 船長Dは、第3号灯浮標の東方沖で待機中、港内航路を2隻の出港船が南進しており、先行する日本船(以下「E船」という。)からVHF無線電話17chでA船の行き先についての問合せを受けたので、高梁川の方へ向かうと回答したところ、A船と右舷対右舷で通過したいとの申出があったので、同意することを伝え、A船に対して「Out bound vessel starboard to starboard」と連絡し、「OK」の返事を受けた。 船長Dは、E船と連絡を取り合っているうち、C船をえい航してA船の方に接近しているB船を認め、B船に対して東に寄ることを促そうと思い、B船に接近を始めた。 船長Dは、D船をB船の左舷側約30mに移動させて船首をB船に向け、拡声器で東に寄って下さい、危ないですよとの注意を行ったが、B船からの応答がなく、A船がB船引船列と右舷対右舷で通過すると予想し、C船の後方に回っていたとき「ドーン」という衝撃音を聞き、C船の右舷側に出たとき、A船の紅灯を認めた。 船長Dは、本事故後、備讃マーチス、水島ポートラジオ及び海上保安庁に通報した。 |
| 原因 | 本事故は、夜間、水島港において、A船が濃地諸島北側の水路を北西進中、B船引船列が同水路を南東進中、船長Aが、D船から、出港船を右側に行かせるので、A船は左側を行って下さいとの連絡を受け、B船引船列と右舷を対して通過しようと思い、針路を左に転じながら航行を続け、また、船長Bが、A船の航行の支障とならないように濃地諸島に寄って航行を続けたため、両船が衝突したことにより発生したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | なし |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。