JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2014-10
発生年月日 2014年03月16日
事故等種類 衝突
事故等名 引船きく丸台船清竜モーターボート勝海遊丸衝突
発生場所 長崎県島原市島原新港北東方沖  島原新港南防波堤灯台から真方位046°6,300m付近
管轄部署 長崎事務所
人の死傷 死亡
船舶種類 引船・押船:非自航船:プレジャーボート
総トン数 5~20t未満:500~1600t未満:5t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2014年10月30日
概要  A船は、船長A及び甲板員Aが乗り組み、空船のB船をえい航して引船列(以下「A船引船列」という。)を構成し、船長Aが操舵室前部の舵輪後方に立って手動操舵を行い、甲板員Aが操舵室右舷側の寝台で休息をとり、約7ノットの速力で島原新港北東方沖を北進した。
 A船は、えい航索を約80m伸出しており、黄色回転灯、マスト灯2個、両舷灯、引き船灯及び船尾灯を点灯し、B船は、赤色点滅灯4個を点灯していた。
 船長Aは、3海里(M)レンジとしたレーダー画面により、のり養殖漁場に設置された多数の灯浮標の映像を右舷側に見ながら、目的地の熊本県玉名市名石浜に向けて同漁場を回り込むように北進中、レーダー画面で右舷船首0.5M付近に映像を認めたので、目視で確認したところ、右舷船首約60°方向に縦に連掲した白色点滅灯及び白灯を視認した。
 船長Aは、A船引船列の右舷方にはのり養殖漁場が南北に広がっていることから、A船引船列の右舷方から他船が接近して来ることはないと思っていた。
 船長Aは、島原湾の航行経験が豊富であり、島原湾内では漁具等のブイが多数散在し、中には‘点滅灯を取り付けているブイ’(以下「点滅ブイ」という。)があることを知っていた。
 船長Aは、右舷船首方に視認した白色点滅灯及び白灯のほかに舷灯が見えなかったことから、白色点滅灯及び白灯を点滅ブイと思い、同ブイを避けるために大回りして航行することにした。
 船長Aは、左舵を取り、GPSプロッターを見てA船の船首が三池港の西方を向いたことを確認した後、舵を戻して針路を定め、レーダーで周囲の状況を確認したところ、レーダー画面で右舷正横より少し後方0.25M付近に映像を認めたので、探照灯で同方向を照射した。
 船長Aは、船の形が見えたことから、レーダーで認めた映像が船舶(C船)であることが分かり、A船がB船をえい航していることをC船に知らせようと思い、探照灯でB船とC船を交互に照射したり、A船とB船との間のえい航索を照射したり、汽笛を吹鳴したりして注意喚起を行った。
 船長Aは、右舷正横より少し後方に見えていたC船が、徐々に右舷船尾方に見えるようになり、操舵室右舷船尾側の窓から見えていたB船の赤色点滅灯がC船で隠れたことから、C船がA船とB船の間に入り込んだと思い、機関の操縦レバーを中立にした。
 船長Aは、平成26年3月16日05時07分ごろ、島原新港北東方沖において、操舵室左舷船尾側の窓から後方を見たところ、転覆したC船が見え、会社及び海上保安部に本事故の連絡を行った。
 船長Aは、海上保安部から、C船を見失わないように監視すること、及び付近にC船乗組員がいれば、救助を行うことを指示され、甲板員Aと共にC船を監視しながら、C船付近の海上を探照灯で照射してC船乗組員の捜索を行った。
 A船引船列は、海上保安庁の情報によれば、B船船首外板に擦過傷が認められ、えい航索にはC船と接触したような痕跡が見当たらなかった。
 C船は、船長Cが1人で乗り組み、島原新港北東方沖を航行中にB船と衝突し、転覆した。
 船長Cは、通報を受けて出動した海上保安庁の機動救難士により、転覆したC船の船内で浮遊しているところを発見され、ヘリコプターに収容されたものの、既に心肺停止状態であり、病院に搬送された後、死亡が確認され、溺水による死亡と検案された。
 C船は、転覆した状態で漂流していたが、10時54分ごろ沈没し、3月19日にクレーン台船で引き揚げられた。
原因  本事故は、夜間、島原新港北東方沖において、A船引船列が北進中、B船とC船とが衝突したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 死亡:1人(勝海遊丸船長)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。