JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2014-10
発生年月日 2014年02月11日
事故等種類 死傷等
事故等名 作業船ふじ乗組員死亡
発生場所 岡山県倉敷市水島港  水島港西1号防波堤灯台から真方位006°1.4海里付近
管轄部署 広島事務所
人の死傷 死亡
船舶種類 作業船
総トン数 5~20t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2014年10月30日
概要  本船は、船長及び甲板員が乗り組み、救命筏整備業者2人を同乗させ、水島港のJFE岸壁(以下「本件岸壁」という。)に左舷着けしていたパナマ共和国船籍のばら積貨物船(以下「A船」という。)の船尾に設けられたクレーンにより、‘本船船尾に載せられた救命筏3個をA船に移す作業’(以下「本件作業」という。)を行うため、A船の右舷船尾付近に着き、船首を東方に向けて漂泊し、救命筏整備業者2人をA船に移乗させた後、A船の右舷側から約10mの距離を取って平成26年2月11日10時15分ごろ本件作業を開始した。
 船長は、操舵室後部入口のドアを開け、時折、後方の様子を見ながら、機関を前進、後進に適宜使用し、手動操舵で操船を行ったが、北西風及び南東方向に向かう潮流により、本船をA船のクレーン付近に位置させることが困難となった。
 右舷船尾甲板で本件作業を行っていた甲板員は、1個目の救命筏をクレーンで吊り上げる作業中、本船が移動したため、A船の操舵手(以下「操舵手A」という。)にクレーン停止の合図を行い、操舵手Aがクレーン操作を行っていたA船の甲板長(以下「甲板長A」という。)にクレーン停止の合図を行った。
 甲板員は、船長に機関を後進にするように合図を送り、船長が機関を後進にしたものの、本船が風潮流によって東方に流される状況となり、救命筏から手を離さず、救命筏を支えていたところ、10時20分ごろ本船の船尾中央付近から海に転落した。
 船長は、操船に集中し、甲板員の落水を見ていなかったが、甲板員の叫び声を聞いて船尾に移動したところ、海面上に甲板員を発見した。
 船長は、A船の乗組員が甲板員に向けてロープ付き浮輪3個を投げ入れたが、甲板員は掴むことができなかったので、本船にあったロープを投げ入れたが、甲板員はこれも掴むことができないでいたところ、甲板員がうつ伏せで海面に浮いた状態となったことから、救助のために海へ飛び込んだ。
 船長は、甲板員を本件岸壁まで引き寄せ、A船の乗組員が甲板員を同岸壁に引き揚げた。
 船長は甲板員に人工呼吸を行い、その後、甲板員は、救急車で病院に搬送されたが、12日05時41分ごろ医師に死亡が確認され、死因は溺水と検案された。
原因  本事故は、本船が、水島港の本件岸壁に着岸しているA船のクレーンで救命筏を漂泊して吊り上げ中、風潮流に圧流されたため、本船の船尾甲板で救命筏を支えていた甲板員が落水したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 死亡:1人(甲板員)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。