JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2014-8
発生年月日 2013年01月04日
事故等種類 転覆
事故等名 漁船第21純白丸転覆
発生場所 北海道函館市汐首岬東方の海岸付近  汐首岬灯台から真方位081°1.5海里付近
管轄部署 函館事務所
人の死傷 死亡
船舶種類 漁船
総トン数 5t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2014年08月29日
概要  本船は、船長、甲板員A及び甲板員Bが乗り組み、汐首岬東方の海岸付近において、‘ごっこと称されるほていうお刺網漁’(以下「本件ごっこ漁」という。)を行うため、‘汐首岬灯台の東北東方2,750m付近の船揚場’(以下「船揚場A」という。)を発した。
 僚船の船長Aは、‘船揚場Aの南東方250m付近の船揚場’(以下「船揚場B」という。)の斜路下方において、ふのり採取の準備をしていたところ、海側から誰かの話声が聞こえるので、斜路の上方へ登って周囲を見回したところ、網を積んだ本船が、船外機をチルトアップした状態により、‘船揚場Bの北西方100m付近の岩場’(以下「本件岩場」という。)に接近しているところを見た。
 船長Aは、本船が、本件ごっこ漁を行うため、船揚場Aから船揚場Bの南方沖100m付近へ向けて航行中、船外機に不具合が生じて航行不能となり、風波に流されて本件岩場付近に接近したものと思い、斜路の下方で翌日のたこ漁の準備作業をしていた僚船の船長Bを呼んだ。
 船長Bは、船長Aに呼ばれて斜路の上方へ登ったところ、波高約1.5mの波が本件岩場付近に打ち寄せ、沖には白波が立っている状況下、本船が、本件岩場の至近で船外機をチルトアップした状態で船首を北方へ向けて漂泊し、風速約7~8m/sの西風で横揺れを繰り返しており、また、本船の乗組員3人が船首付近に立ち、うち1人が右舷側から長い棒を使って本件岩場を突いているところを見た。
 船長Bは、本船の乗組員が船外機を触っている様子はなかったが、本船が、船外機に不具合が生じて航行不能となり、風波に流されて本件岩場が至近になってしまったので、本件岩場との接触を避けるために船外機をチルトアップし、何とかして本件岩場から離れて水深の浅いところに回り込もうとして長い棒を使って本件岩場を突いているものと思った。
 船長A及び船長Bは、この状況が続けば、本船が本件岩場に乗り揚げてしまうので、所有船で助けに行こうと思い、その旨を話し合っていたところ、本船は、横揺れで左舷側に傾いていた際、本件岩場からの返し波を右舷側から受けて浸水し、平成25年1月4日13時25分ごろ左舷側に一気に転覆した。
 船長A及び船長Bは、船揚場A及び船揚場B付近には他に誰もいないので、応援を呼ぼうと思い、船長Aは、応援及び救急車の手配等を要請するため、近所の民家に走り、船長Bは、本船の乗組員を救助するため、ロープを持って本件岩場へ駆け降りた。
 船長Bは、戻って来た船長Aと共に頭から波をかぶりながら、本件岩場に寄せられてきた甲板員Bの手を引っ張って何とか引き揚げた。
 船長Bは、海に浮いている船長に向けてロープを投げてつかまるように叫んだが、船長は、左手で甲板員Aをつかみ、右手で転覆した本船につかまっているので、船長からロープをつかめない旨の返答があった。
 船長A及び船長Bは、応援に来た地元の漁業者と共に船長を引き揚げ、次いで甲板員Aを引き揚げた。
 船長、甲板員A及び甲板員Bは、それぞれ病院へ搬送されたが、15時25分までに3人の死亡が確認され、死因は溺水と検案された。
 本船は、5日、僚船等に転覆状態でえい航されて船揚場Bに引き揚げられた。
原因  本事故は、本船が、汐首岬東方の海岸付近を航行中、船外機が停止して漂泊状態となり、風波に本件岩場の至近へ圧流された際、本件岩場からの返し波を受けたため、左舷側に傾斜して浸水し、左舷側に転覆したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 死亡:3人(船長及び甲板員2人)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。