
| 報告書番号 | MA2014-6 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2013年12月29日 |
| 事故等種類 | 転覆 |
| 事故等名 | 漁船第三龍真丸転覆 |
| 発生場所 | 北海道伊達市アルトリ岬南方沖 伊達市所在の有珠湾口灯標から真方位181.5°2.9海里(M)付近 |
| 管轄部署 | 函館事務所 |
| 人の死傷 | 負傷 |
| 船舶種類 | 漁船 |
| 総トン数 | 5t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2014年06月27日 |
| 概要 | 本船は、船長が1人で乗り組み、伊達市有珠漁港南方沖2.9M付近に設置されたほたて貝養殖施設において、船首を南東方へ向けて同施設に右舷着けして主機を中立とした。 船長は、平成25年12月29日09時20分ごろ、海面下約15~16mに海面と平行になっているほたて貝等が吊り下げられ、‘桁綱と称されるロープ’(以下「本件桁綱」という。)を引き上げ、右舷舷側の船首方及び船尾方にそれぞれ設置され、‘「ケタグリ」と称される歯車型の係船具’(以下「本件係船具」という。)に掛け、‘ほたて貝が多数収納された「ポケット」と称される収納袋’(以下「本件袋網」という。)を船内に揚収する作業を開始した。 船長は、船尾甲板上に設置されたクレーン(以下「本件クレーン」という。)を使用し、本件桁綱から本件袋網を外して吊り上げ、時計回りに旋回させて左舷船尾に積む作業を2回行い、3回目の作業に取り掛かった。 船長は、出港時と比べて風と波が強くなり、船体の横揺れが大きくなったことに気付いたが、作業を中止して帰るまでもないと思い、また、あと1回で作業が終わるので、大丈夫と思い、作業を続けた。 船長は、本件クレーンのブームを長さ約7.5m、仰角約60°として本件桁綱を本件クレーン先端から延びるワイヤロープのフックに掛け、次いで、本件袋網の上端を同フックに掛けたところ、右舷側から波を受けて船体が動揺し、船首方の本件係船具から本件桁綱が外れ、その後、船尾方の本件係船具からも本件桁綱が外れたので、同フックが本件桁綱に掛かった状態となり、本船は、風波により、左舷側に一気に流された。 船長は、本件クレーンを操作したり、主機を後進としたりし、何とか本件桁綱に近づこうとしたが、うまく行かず、本船は、右舷側に傾斜して舷側を越えて海水が入り、09時40分ごろ一瞬に右舷側へ転覆した。 船長は、転覆した本船に巻き込まれるように海に投げ出され、海面に浮上して船尾にしがみつき、救助を待ったが、意識が朦朧としてきた。 船長の家族は、船長が家を出発する前にすぐに帰る旨を聞かされていたが、船長が戻らないので、不審に思い、僚船の船長2人に本船の確認を依頼した。 僚船2隻は、ほたて貝養殖施設へ向かったところ、11時45分ごろ、転覆している本船の船尾にしがみついている船長を発見し、救助した。 船長は、僚船に乗せられて有珠漁港へ戻り、救急車で病院へ搬送され、低体温症と診断された。 本船は、僚船にえい航されて有珠漁港へ帰り、31日13時15分ごろ上架された。 |
| 原因 | 本事故は、本船が、有珠漁港南方沖のほたて貝養殖施設において、本件袋網の揚収作業中、波を受けて右舷側に引き上げた本件桁綱が本件係船具から外れ、本件クレーンのフックが本件桁綱に掛かった状態となり、風波により、左舷側に圧流されたため、右舷側に傾斜して浸水し、右舷側に転覆したことにより発生したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | 負傷:1人(船長) |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。