JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2014-5
発生年月日 2013年10月12日
事故等種類 衝突
事故等名 貨物船WEN PENG油タンカー第六わかつる丸衝突
発生場所 香川県高松市稲毛島東北東方沖(備讃瀬戸東航路内)  高松市所在のカナワ岩灯標から真方位093°2,570m付近
管轄部署 広島事務所
人の死傷
船舶種類 貨物船:タンカー
総トン数 500~1600t未満:500~1600t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2014年05月30日
概要  A船は、船長A及び航海士Aほか6人(全員中華人民共和国籍)が乗り組み、スチールプレート約1,800tを積載し、阪神港堺泉北区に向けて備讃瀬戸東航路(以下「東航路」という。)を東進中、平成25年10月12日00時30分ごろ宇高東航路付近において、航海士Aが、船長Aから船橋当直を引き継いで単独の船橋当直に就いた。
 航海士Aは、カナワ岩灯標東方沖において、東航路に沿う114°(真方位、以下同じ。)の針路に定め、航路の右側端に寄って約6.5ノット(kn)の速力(対地速力、以下同じ。)で自動操舵によって航行中、右舷後方の目測0.1~0.2海里(M)付近にB船の両舷灯を認めた。
 航海士Aは、B船がA船を安全に追い越すものと思い、針路及び速力を保持して東進中、B船が針路を変えずに接近することを見て注意喚起のため、B船に対して汽笛1回を4~5秒吹鳴し、B船が至近に接近することを見て急いで舵を手動操舵に切り替えて右舵一杯を取ったが、B船を初認して2~3分経過した02時05分ごろ、カナワ岩灯標東方沖において、A船の右舷船尾部とB船の左舷船首部とが衝突した。
 船長Aは、自室で就寝中、汽笛を聞いて状況確認のために昇橋を始めたところ、階段途中で衝突のショックを感じて急いで昇橋し、直ちに機関を停止してVHF無線電話で備讃瀬戸海上交通センター(以下「備讃マーチス」という。)へ通報を行い、備讃マーチスの指示に従って航路外に出た。
 B船は、船長B及び航海士Bほか5人が乗り組み、ガソリン約2,000klを積み、阪神港に向けて東航路を東進中、01時40分ごろ、高松市男木島北方沖において、船長Bが降橋し、航海士Bが単独の船橋当直に就いた。
 航海士Bは、01時45分ごろレーダーで約1.5M前方にA船の映像を認め、A船までの距離が約0.8Mと確認した後、左右から接近する各1隻の漁船を避航し、57分ごろ、カナワ岩灯標北方沖において、東航路に沿って約111°の針路に定め、約12.0knの速力で自動操舵によって航行した。
 航海士Bは、01時59分ごろ、カナワ岩灯標東方沖の東航路を東進中、海図に02時00分の位置を記入するために左舷船尾の海図台の前へ移動し、後方を向いて作業を行った後、左舷船首窓際に移動して前方を見たとき、左舷船首方の目測1,000m付近に白灯を認め、A船の船尾灯と思い、漁船2隻を避航し、白灯も離れていたので、安心して気が緩み、前方を向いて航海コンソールに寄り掛かった状態で居眠りに陥った。
 航海士Bは、目を覚まし、左舷側に1~2歩移動して前方を見たとき、A船の船尾灯を正船首方の至近に認め、急いで右舵一杯の50°を取るとともに、翼角を0°としたが、舵角が50°となり、B船が15°~20°右転したとき、B船がA船と衝突した。
 航海士Bは、後続の同航船が右舷側を通過した後、船長Bに本事故の発生を船内電話で伝え、船長Bが、昇橋して運転不自由船を示す紅灯2つを点灯し、備讃マーチスからのVHF無線電話による指示に従って航路外に出た。
原因  本事故は、夜間、カナワ岩灯標東方沖の東航路において、A船が東進中、B船がA船の右舷側を追い越す態勢で東進中、航海士Aが、B船がA船を安全に追い越していくものと思い、B船が至近に接近するまで、針路及び速力を保持して航行を続け、また、航海士Bが居眠りに陥ったため、両船が衝突したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。