JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2014-5
発生年月日 2013年08月18日
事故等種類 死傷等
事故等名 浚渫船第28須山丸甲板員負傷
発生場所 千葉県木更津港富津ふ頭北方沖  木更津港富津西防波堤灯台から真方位074°750m付近
管轄部署 横浜事務所
人の死傷 負傷
船舶種類 作業船
総トン数 1600~3000t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2014年05月30日
概要  本船は、非自航式のグラブ浚渫兼用起重機台船であり、甲板上には、船首部にグラブバケット用旋回式ジブクレーンを、船尾部に3層の作業員居住施設をそれぞれ配置し、中央部が積荷や機材置場として使用されていた。
 グラブバケットは、容量28m3の普通バケット(以下「本件バケット」という。)のほか2種類があり、甲板上の架台に入れて置かれていた。
 本船は、船長、副長及び甲板員Aほか甲板員4人が乗船し、木更津港富津ふ頭北方沖で錨泊中、使用するグラブバケットを本件バケットに交換するため、本件バケットの‘シェル(2つに分かれて開閉し、泥等をつかむもの)の上端部に連結され、シェルを開閉するワイヤロープ’(以下「開閉ワイヤ」という。)を開閉ワイヤ用の滑車が入った下部フレームに取り付ける作業を行うこととした。
 本船は、平成25年8月18日08時00分ごろ、交換作業の実施に当たり、司厨員を除く船長等6人により、高所作業の安全確保を含めて作業前のミーティングを行った。
 作業配置は、船長がクレーンの操作でジブ取付け部付近にある運転席、甲板員A及び甲板員2人(以下「甲板員A等」という。)が下部フレームの両端面にそれぞれある調整板と称される2枚の鉄板(以下船首に向いていたものを「本件調整板」という。)間に開閉ワイヤ端部(以下船首に向いていたものを「本件ソケット」という。)を取り付ける開閉ワイヤソケットピン(以下「本件ピン」という。)の挿入作業で‘船首側のロッドフレーム中段のはり’(以下「本件はり」という。)の上、副長及び甲板員1人が下部フレーム船尾側の本件ピンの挿入作業で船尾側ロッドフレーム中央部のはりの上とされた。
 船長等6人は、甲板上での準備作業を行い、09時過ぎから本件ソケットの取付け作業の配置にそれぞれ就き始めた。
 船長は、クレーンの運転席(本件バケットから左舷船首方約12m、甲板からの高さ約6m)に腰を掛け、甲板員A等の本件ソケットの取付け作業を見守っていた。
 船長は、甲板員Aが、本件はりの上に片足を、本件調整板の下方にある張り出した鉄板に他方の足をそれぞれ架けてまたぎ、10時40分ごろ、本件ソケットが本件調整板の間に入れられて本件調整板と本件ソケットに開いているピン穴に右舷方向から左舷方向へ本件ピンを挿入し、半分ほど入った際、甲板員Aが姿勢を変えようとして着用していた安全帯ロープ先端部のフックを掛け直すために外したので、作業が中断すると思い、ふと目を離し、再び顔を上げ、本件はりの方を見た際、甲板員が1人いなくなっていることに気付いた。
 副長は、下部フレームの船尾側におり、甲板員A等の作業状況が見えなかったものの、ドーンという音が下方から聞こえたので、下方を見たところ、シェル内側の底部(下部フレーム付近から約4.5m下方)に頭を船首側へ、足を船尾側へ向けて倒れている甲板員Aを認め、甲板員Aが下部フレーム付近から転落したものと思った。
 副長は、シェル底部まで下りたところ、甲板員Aが朦朧としていたので、船長に報告の後、携帯電話で119番へ事故の発生を通報した。
 作業員Aは、11時30分ごろに本船に到着した救急隊により、11時59分ごろバケット底部から救助され、病院に搬送の後、右寛骨臼骨折、肺挫傷、肝損傷と診断されて入院した。
原因  本事故は、本船が木更津港富津ふ頭北方沖で錨泊し、本件ピンの本件調整板及び本件ソケットへの挿入作業中、甲板員Aが、本件はりと本件調整板下方の鉄板に足をそれぞれ架けてまたぎ、本件調整板の間に本件ソケットをはめ込んだ状態のピン穴に本件ピンを半分まで挿入し、体勢を変える目的で安全帯のフックの掛ける場所を移そうとして同フックを外した際、シェルの底部に転落したため、発生したものと考えられる。
死傷者数 負傷:1人(甲板員)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。