
| 報告書番号 | MA2014-5 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2013年08月15日 |
| 事故等種類 | 衝突 |
| 事故等名 | 旅客船はくちょう丸プレジャーヨットQUEEN E-1衝突 |
| 発生場所 | 長野県諏訪湖 長野県諏訪市所在の初島西方沖620m付近 |
| 管轄部署 | 横浜事務所 |
| 人の死傷 | |
| 船舶種類 | 旅客船:プレジャーボート |
| 総トン数 | 20~100t未満:5t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2014年05月30日 |
| 概要 | A船は、船長A及び機関長が乗り組み、長野県下諏訪町の係留地(以下「下諏訪港」という。)において、花火大会の見物客123人を乗せ、平成25年8月15日17時00分ごろ出港し、諏訪湖東岸の花火の打ち上げ場所付近へ向けて航行した。 A船は、南東の風が吹いて雨がやみ、西の空に晴れ間が見える状態になったので、初島西方沖約400m、底質が泥で水深約4mの所に17時40分ごろ、船首を南東方に向けて船首方及び船尾方にそれぞれ錨を入れ、錨に直結したアンカーロープを伸ばし、錨泊を開始した。 船長Aは、機関を停止せず、クラッチを中立にした状態で錨泊を続けて花火大会の開始を待っていたが、風が徐々に西寄りに変化してきたことを認めたものの、船首及び船尾方にそれぞれ錨を入れていたので、特に問題がないと思っていた。 船長Aは、花火大会開始予定時刻が近づくにつれ、A船の周囲にほかの多くの船が錨泊し始めたことを認め、左舷方にB船の停泊灯が見えたので、錨泊中のB船の存在も知っていた。 B船は、船長が1人で乗り組み、同乗者3人を乗せ、18時00分ごろ諏訪湖南東岸のヨットハーバー(以下「本件ヨットハーバー」という。)を他の4隻の知り合いの船と共に出港した。 B船は、18時20分ごろ、A船の南東方約150m、水深約4mの所に船首から錨を入れ、アンカーロープを伸ばし、船外機を停止せず、クラッチを中立にした状態で単錨泊を開始した。 船長Bは、B船の北西方に錨泊しているA船を視認していた。 A船は、18時45分ごろ激しい雷雨が降り、風向きが北西に変わって風速が増加するとともに、風下に圧流されて19時過ぎごろ船尾方の錨が走錨し、続いて船首方の錨も走錨し始めた。 船長Aは、すぐに走錨に気付き、機関長に船首及び船尾のビットからアンカーロープを外すように指示したが、緊張して外れず、また、慌てており、A船の機関を使用することを思い付かなかった。 船長Aは、まだ距離はあったものの、A船の風下方向に錨泊している旅客船の方へ圧流されるかもしれないと思い、降雨の影響で辺りが見にくく、そのほかの船の存在を失念していた。 船長Aは、左舷中央部付近の乗客が声を出したので、操縦席から降りて声のした方へ向かったところ、19時40分ごろ、A船の左舷とB船の船首とが衝突した。 船長Bは、19時20分ごろ、花火が降雨でほとんど見えなくなって音だけが聞こえるようになり、周囲には落雷もあったので、帰ることを考え、アンカーロープを確認するために船首甲板に行ったところ、降雨で視界が悪くてよく見えなかったものの、B船に向かって接近して来るA船を見て走錨していると思った。 船長Bは、A船が次第にB船の方に近づいて両船間の距離が約40mになったとき、衝突の虞を感じたので、B船のアンカーロープを見たが、緊張しており、B船が走錨していないことを確認した。 船長Bは、A船の走錨が途中で止まるかもしれないと思い、状況を観察していたが、両船間の距離が約15mになったとき、確実に衝突すると感じ、B船のアンカーロープが緊張していたので、錨を揚げるには時間が足りず、また、船外機を使用してB船を前進させれば、A船の走錨する速力が速いため、衝突した場合に被害が増大すると考え、船外機を使用せず、船首甲板でA船の動静を見守った。 B船は、19時40分ごろ船首とA船の左舷中央部付近とが衝突し、船長Bが、船首甲板に立って手足でA船を押したものの、更に圧流されたA船に押されてB船の向きが変わり、右舷がA船の左舷に添う形となった。 船長Bは、はさみでB船のアンカーロープを切断し、船外機を操作してA船から離れ、本件ヨットハーバーに向けて航行を行い、20時00分ごろ着いた。 船長Aは、衝突後に無線で会社へ衝突した旨の連絡を入れ、風が息をしてアンカーロープが緩んだときに船尾方のアンカーロープを外して湖に放ち、クラッチを前進に入れて右舵を取り、続いて船首方のアンカーロープも外してほかの船がいない沖に移動し、風雨が収まらないため、しばらく待機していたが、やがて風が収まってきたことを認め、20時40分ごろ下諏訪港に着岸して乗客を下船させた。 |
| 原因 | 本事故は、夜間、A船及びB船が初島西方沖で錨泊中、A船が走錨してB船に向けて圧流されたものの、船長Aが見張りを適切に行っておらず、また、船長Bが衝突を避けるための動作をとらなかったため、両船が衝突したことにより発生したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | なし |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。