
| 報告書番号 | MA2014-4 |
|---|---|
| 発生年月日 | 2013年11月03日 |
| 事故等種類 | 火災 |
| 事故等名 | 漁船寿丸火災 |
| 発生場所 | 静岡県浜名湖南方沖 静岡県浜松市所在の舞阪灯台から真方位197°14.1海里(M)付近 |
| 管轄部署 | 横浜事務所 |
| 人の死傷 | |
| 船舶種類 | 漁船 |
| 総トン数 | 5~20t未満 |
| 報告書(PDF) | 公表 |
| 公表年月日 | 2014年04月25日 |
| 概要 | 本船は、船長及び乗組員Aほか乗組員5人が乗り組み、浜名湖南方沖で底引き網漁に従事中、船長が操船し、機関の保守管理を担当している乗組員Aほか乗組員5人が甲板で魚の仕分けを行い、漁場移動のため、平成25年11月3日05時15分ごろ航走を開始した。 本船は、甲板上の中央付近に操舵室が、その後方に機関室及び船員室が、甲板下に船首から魚倉、機関室及び船員室がそれぞれ設けられていた。 船長は、07時50分ごろ、主機の燃料油として使用している軽油の臭いが、次第に強くなり、焦げた臭いもし始めたので、乗組員Aに機関室へ行って点検するように指示した。 乗組員Aは、機関室へ入ったところ、燃料油サービスタンクのエア抜きから燃料油がオーバーフローして主機の過給機(以下「本件過給機」という。)及びシリンダーヘッドへ降り掛かっていることを認め、燃料油移送ポンプが自動停止されていないものと思い、燃料油移送ポンプの切替えスイッチを見たところ、手動運転となっていたので、停止した。 乗組員Aは、船長へ主機を停止するように求め、主機が停止した後、本件過給機及びシリンダーヘッドの表面に付着していた燃料油を拭い取ったものの、本件過給機の排気側の表面に装着されたラギング内側等の隙間の燃料油には手が届かず、拭い取ることができなかった。 乗組員Aは、燃料油移送ポンプの切替えスイッチを自動運転に切り替え、燃料油移送ポンプが自動停止することを確認して甲板での作業へ戻った。 本船は、浜名湖南方沖を主機の回転数毎分を1,500とし、速力約10.0ノットで南西進中、乗組員Aが、08時10分ごろ機関室へ通じる船員室船尾側引き戸から灰色の煙が出ていることを視認し、機関室へ行き、煙の発生源が本件過給機にあることを知り、火災が発生したと思い、操舵室に行って船長へ主機を停止するように求めた。 船長は、主機を停止した後、操舵室内に置いていた消火器1本を持って操舵室船尾側に設けられた機関室出入口から機関室内を見たところ、機関室内が白煙で充満し、高温のため、入ることが困難と思い、同所から消火剤を散布した。 一方、乗組員1人は、船員室内に置いていた消火器1本を持って船員室船首側に設けられた機関室出入口から消火剤を散布した。 本船は、初期消火ができず、船長等が、機関室上部にある救命筏を投下しようとしたものの、機関室からの輻射熱で救命筏に接近できなかった。 本船は、機関室天井が焼け落ちて炎が立ち上るようになったので、船長及び乗組員1人が船首付近へ退避して海上保安庁へ本事故の発生及び本船の位置を知らせて救助の要請を行い、乗組員A及び乗組員4人が船尾付近へ退避した。 船尾にいた乗組員4人が漁労用の浮標を持って海へ飛び込んだ後、船首に避難した船長、乗組員1人及び乗組員Aが順次これに続いた。 このとき、乗組員2人は、船員室に保管されていた救命胴衣を着用していた。 乗組員7人は、漁労用の浮標につかまって漂流していたところ、付近航行中の貨物船に発見されて救助された。 本船は、来援した巡視船艇によって消火作業が行われたが、11時35分ごろ、浜名湖南方沖15Mにおいて、沈没した。 |
| 原因 | 本事故は、本船が浜名湖南方沖を航行中、燃料油移送ポンプで供給され続けた燃料油が、燃料油サービスタンクのエア抜きからオーバーフローして主機シリンダーヘッド及び本件過給機に降り掛かり、本件過給機等の表面に付着した燃料油は拭い取られたものの、本件過給機の排気側の表面に装着されたラギング内側の高温部に拭い取ることができずに残っていたため、加熱されて発火し、周囲の可燃物へ延焼したことにより発生したものと考えられる。 |
| 死傷者数 | なし |
| 勧告・意見 | |
| 情報提供 | |
| 動画(MP4) | |
| 備考 |
本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。
本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。
報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。