JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2014-4
発生年月日 2013年09月17日
事故等種類 死傷等
事故等名 揚錨作業船兼引船白根丸乗組員負傷
発生場所 京浜港東京第3区  東京都大田区所在の東京西防波堤灯台から真方位276°925m付近
管轄部署 横浜事務所
人の死傷 負傷
船舶種類 作業船
総トン数 100~200t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2014年04月25日
概要  本船は、船長、機関長、甲板員Aほか甲板員2人が乗り組み、平成25年9月17日07時30分ごろ京浜港東京第3区に台風避泊中の揚土船から離舷した後、船長が操舵室中央にある操舵スタンドの前で操船に当たり、機関長が操舵室左舷に設置されたウインチ操作盤に就き、揚土船の転錨作業を開始した。
 本船は、シヤースと呼称される二股クレーン(以下「本件クレーン」という。)、主ウインチ用ドラム1基及び副ウインチ用ドラム2基を前部甲板に、操舵室及び機関室を後部甲板にそれぞれ設けていた。
 主ウインチ用ドラムに巻かれた主ワイヤロープ(直径約26mm)及び右舷の副ウインチ用ドラムに巻かれた副ワイヤロープ(直径約24mm)は、本件クレーン上端に設けられた滑車を介して下方へ伸び、各ワイヤロープ先端に連結されたシャックルが、それぞれ本件クレーン基部のフックに掛けられていた。
 ウインチ操作盤は、主ウインチ用ドラムの操作レバー(以下「本件主レバー」という。)及び右舷の副ウインチ用ドラムの操作レバー(以下「本件副レバー」という。)を備えていた。
 船長は、ふだん、機関長が、ウインチの操作を担当していたものの、機関始動直後であり、機関室で機器の点検を行っていたので、操船及びウインチ操作をしていた。
 甲板員Aは、本船が錨用の浮標へ接近した後、浮標上端にある錨用のワイヤロープ(直径約16mm 長さ1.5m)と船長が緩めた主ワイヤロープとをシャックルでつないだ。
 甲板員Aは、浮標上端に連結された発光ブイのブイワイヤロープ(直径約18mm 長さ6m)と副ワイヤロープとを連結するため、副ワイヤロープのシャックル(以下「本件シャックル」という。)がフックに掛けられている本件クレーン右舷基部へ向かった。
 船長は、甲板員Aへ視線を向けた際、甲板員Aが本件クレーン右舷基部へ向かったので、錨を巻き揚げる準備ができたものと思い、07時58分ごろ、主ウインチを操作しようとしてウインチ操作盤上の操作レバーの1つを巻き揚げ側へ倒したところ、副ワイヤロープが巻き上がり、フックに掛けてあった本件シャックルが外れて本件クレーン上端の滑車まで達することを目撃し、本件副レバーを操作したことを知り、直ちに、本件副レバーを中立位置へ戻した。
 甲板員Aは、フックから外れた本件シャックルが同人の下方から下顎部を直撃し、その場に倒れた。
 船長は、甲板員Aが甲板上で頭を船首方へ向けてうつ伏せに倒れている状況を見て負傷したものと思い、他の甲板員の1人から甲板員Aが出血している事実を知らされ、船舶所有会社へ本事故の発生を知らせた。
 乗組員Aは、来援した交通艇で陸上へ搬送され、船舶所有会社の車両に引き継がれ、病院で顔面骨骨折、外傷性歯牙欠損、頸椎捻挫等と診断されて入院した。
 船舶所有会社が、工事作業元請会社を通じて10時30分ごろ海上保安部へ本事故の発生を通知した。
原因  本事故は、本船が、京浜港東京第3区で揚土船の揚錨作業中、甲板員Aが、主ワイヤロープを錨用のワイヤロープへつないだ後、副ワイヤロープとブイワイヤロープとを連結しようとし、本件シャックルをフックから外そうとして本件クレーン右舷基部へ向かったところ、船長が、錨を巻き揚げる準備ができたものと思い、主ウインチを作動させる本件主レバーを操作しようとしたものの、本件副レバーを巻き揚げ側へ倒したため、副ワイヤロープが巻かれ、本件シャックルがフックから外れて甲板員Aの下顎部に当たったことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 負傷:1人(甲板員)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。