JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2014-3
発生年月日 2013年05月29日
事故等種類 衝突(単)
事故等名 旅客船兼自動車渡船フェリーかけろま衝突(岸壁)
発生場所 鹿児島県瀬戸内町古仁屋港大湊地区  古仁屋港防波堤灯台から真方位287°510m付近
管轄部署 那覇事務所
人の死傷
船舶種類 旅客船
総トン数 100~200t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2014年03月28日
概要  本船は、船長及び機関長ほか3人が乗り組み、旅客45人、車両2台及びその他の貨物を乗せ、古仁屋港生間地区を出港し、船橋内で船長が操舵を、機関長がテレグラフで主機の操作をそれぞれ行い、古仁屋港大湊地区のフェリー発着場に向けて航行していた。
 本船は、機関室の構造上の制約により、主機の最低回転数が通常より高く設定されており、微速前進でも速力が約8ノットとなるため、‘減速機の嵌合部のスチールプレートとマサツ板を完全に圧着させずに滑らせ、その滑りの度合いによってプロペラ軸の回転数を調整する装置’(以下「トローリング装置」という。)により、低速域の速力を調整していた。
 本船は、ふだん、着岸前に主機を停止させて惰力で航行した後、主機を後進させて速力を調整しながら、岸壁に接近していたが、主機の始動に時間がかかることから、惰力で航行している際、機関長が、トローリング装置を使用し、あらかじめ主機を後進にしていた。
 船長は、フェリー発着場に近づいたので、主機を停止させ、約4~5ノットの惰力で航行しながら、後進の時機を計っていたところ、機関長から主機が後進に始動しない旨の報告を受けたので、回頭して岸壁から離れようと考えたが、フェリー発着場までの距離が近く、衝突は避けられないと思った。
 船長は、衝突の衝撃を少しでも和らげようとし、右舷前方のフェリー発着場とほぼ直角に存在するタイヤフェンダーが設置されている岸壁に本船の左舷側を衝突させようと思い、舵及びバウスラスターを右一杯として回頭を始めた。
 機関長は、2日前にも主機が後進に始動しなかったことがあり、その際には停止、後進とテレグラフを操作したところ、主機が始動したので、今回も同様に始動するのではないかと思い、テレグラフを繰り返し操作していたところ、主機が始動したので、直ちに全速後進にした。
 本船は、次第に前進速力がなくなり、右舷前方の岸壁に衝突することなく停止したものの、船長は、本船が後進を始めたことに気付き、機関長に主機の停止及び前進を指示したが、始動に時間がかかり、平成25年5月29日08時55分ごろ、本船の左舷船尾が、フェリー発着場に衝突した。
 本船は、自力で岸壁に着岸して旅客を下船させ、運航を中止した。
原因  本事故は、本船が、古仁屋港大湊地区のフェリー発着場に着岸作業中、主機が後進に始動せず、船長が、右舷前方の岸壁に、右回頭して本船の左舷側を衝突させようと思い、右回頭を始めた後、主機が始動したので、機関長が直ちに全速後進にし、右舷前方の岸壁に衝突することなく停止したものの、本船が後進を始めたことに気付き、機関長に主機の停止及び前進を指示したが、主機の始動に時間を要したため、左舷船尾がフェリー発着場に衝突したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。