JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2013-11
発生年月日 2013年04月14日
事故等種類 死傷等
事故等名 漁船第二十三昭徳丸乗組員負傷
発生場所 鹿児島県奄美大島西方沖 鹿児島県瀬戸内町所在の曽津高埼灯台から真方位285°145海里付近 
管轄部署 長崎事務所
人の死傷 負傷
船舶種類 漁船
総トン数 200~500t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2013年11月29日
概要  本船は、船長、機関長、一等航海士、二等航海士及び甲板員Aほか3人が乗り組み、平成25年4月14日09時00分ごろ、奄美大島西方沖において、船団が休息待機するので、投錨作業を開始した。
 本船は、船首甲板左舷船尾寄りのウィンドラスの延長線上の船首ブルワーク上には、鋼製枠及び駆動部から成るアンカースライダーと呼称する錨を持ち上げて前方に滑らせる装置(以下「錨起倒装置」という。)を装備していたが、本事故当時、錨起倒装置が駆動部の損傷で使えない状況であり、投錨する際、錨をロープ等で前方に引き出す作業(以下「錨巻出し作業」という。)を行っていた。
 錨巻出し作業は、玉掛け用ワイヤロープ(以下「ワイヤ」という。)を2つ折りにし、化学繊維ロープ(以下「ロープ」という。)と結び、錨起倒装置の先端近くに溶接付けされた持ち手枠を介し、ワイヤを錨リング部の突起部に掛け、ロープ他端を船首甲板中央のボラードの右越しにし、同甲板の右舷船尾寄りのキャプスタンに導き、キャプスタンで巻いて行われた。

 本船は、一等航海士が船橋で操船を行い、二等航海士が、外径22mm、長さ約20mのロープに外径9mm、長さ約4mのワイヤを結び、ワイヤを錨の突起部に掛けた後、キャプスタンの操作を、甲板員Aが、二等航海士の船首側で、キャプスタンの左舷側に立ってロープ繰りを、機関長が、船首甲板左舷船尾方に設置のウィンドラスに就いてブレーキ操作をそれぞれ担当し、錨巻出し作業を開始した。

 機関長は、ウィンドラスのクラッチを外していたものの、ブレーキ操作を行う前の段階であり、錨のチェーンが緩んでいる状態であったが、09時30分ごろ、二等航海士が、キャプスタンを操作してロープを巻き、錨が約5cm前方に動いた瞬間、ワイヤがアイの鉛塊付近で切断し、鉛塊2個及びワイヤの切れ端が、ロープの先端に巻き付いた状態でキャプスタンに向かって飛び、甲板員Aの左大腿部をかすり、更に二等航海士の腹部及び左腕に当たり、2人が負傷した。
 一等航海士は、船橋から、二等航海士がキャプスタンのところから後ずさりして甲板上に倒れたところを目撃したので、船内非常招集ブザーを数回鳴らして全員を招集した。
 船長は、船内非常招集ブザーの音を聞いて船橋に向かい、一等航海士から報告を受け、すぐに118番で救助を求め、海上保安庁の航空機に続いて巡視船が来援し、二等航海士は、16時25分ごろドクターヘリに揚収されて奄美大島に向かい、ヘリポートから救急車で病院に搬送された。
 甲板員Aは、左大腿部打撲のみの軽傷であったが、二等航海士は、外傷性小腸穿孔、腹部打撲及び左肘打撲傷と診断された。
原因  本事故は、本船が、奄美大島西方沖において、投錨しようとして錨巻出し作業中、ワイヤとつながれたロープをキャプスタンで巻いたところ、ワイヤが鉛塊付近で切断したため、キャプスタン付近で同作業に従事していた乗組員が、鉛塊2個及びワイヤの切れ端が、ロープの先端に巻き付いた状態でキャプスタンに向かって飛び、キャプスタン付近で同作業に従事していた乗組員の身体に当たったことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 負傷:2人(二等航海士及び甲板員)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。