JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2013-10
発生年月日 2012年03月24日
事故等種類 衝突
事故等名 貨物船RAINBOW ANGEL貨物船TAY SON4衝突
発生場所 大分県大分市大分港日吉原泊地北東方沖 大分港日吉原泊地東防波堤灯台から真方位049°1,900m付近
管轄部署 門司事務所
人の死傷
船舶種類 貨物船:貨物船
総トン数 5000~10000t未満:5000~10000t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2013年10月25日
概要  A船は、船長Aほか17人が乗り組み、大分港での鋼材積載の待機のため、平成24年3月22日12時00分ごろ、大分港日吉原泊地東防波堤灯台から049°(真方位、以下同じ。)1,900m付近に右舷錨を投下し、錨鎖8節を伸出して錨泊した。
 A船は、24日00時00分から04時00分の間、航海士A及び甲板員1人が操舵室で守錨当直に就いていた。
 航海士Aは、操舵室に設置されたレーダー2台を使用し、時々、0.65海里(M)レンジとしたレーダー画面を見て見張りに当たっていたところ、01時30分ごろ風上に位置しているB船が約1.7ノット(kn)の速力(対地速力、以下同じ。)でA船に接近していることに気付いた。
 航海士Aは、直ちに機関室の当直者に機関用意を指示し、VHF無線電話(以下「VHF」という。)でB船を呼び出したが、応答がなかったので、01時33分ごろ船長Aに船内電話で報告したのち、「全乗組員はスタンバイするように」と船内放送した。
 船長Aは、直ちに昇橋し、VHFでB船に「貴船は本船に接近している」と連絡し続けたところ、01時50分ごろB船から「今、機関がかかり最微速力で前進している」との応答があった。
 船長Aは、01時55分ごろB船に「貴船はいまだに本船に接近しつつある」とVHFで連絡したが、01時58分ごろA船の船首部とB船の右舷船首部とが衝突した。
 B船は、船長Bほか22人が乗り組み、大分港での鋼材積載の待機のため、22日16時36分ごろ、大分港日吉原泊地東防波堤灯台から026°1,800m付近に左舷錨を投下し、錨鎖5節を伸出して錨泊した。
 船長Bは、23日11時00分ごろ、天気図を見て一等航海士に指示し、錨鎖を更に1節を繰り出して6節にすることとした。
 B船のレーダーは、操舵室の操舵スタンドの両側に各1台が設置され、右舷側が0.75Mレンジで、左舷側が1.5Mレンジでそれぞれ使用されていた。
 B船は、24日00時00分から04時00分の間、航海士B及び甲板員1人が操舵室で守錨当直に就き、入直時の風速は約20knであり、周囲に約4隻が錨泊しており、一番近い船舶との距離は約0.3M以上であった。
 航海士Bは、01時00分ごろから風が強くなったので、右舷側のレーダー画面に距離マーカーを表示させ、周囲の錨泊船との距離に注意を払っていたところ、風下に位置しているA船との距離が近くなり、また、レーダー画面上にB船の速力が0から約0.3knと表示されていたことから、B船が走錨していると思い、01時24分ごろ船内電話で船長Bに報告した。
 船長Bは、航海士Bから「風が強くなり、B船が他の船に接近しているようだ」との報告を受け、直ちに昇橋し、風向風速計で北西の風が40kn以上吹いているのを確認したのち、01時26~27分ごろ、レーダー画面を見てA船との距離が約0.5~0.6Mであったのに0.25Mとなっていることを知り、B船が走錨していることを確認した。
 船長Bは、01時28分ごろ、機関長に機関を準備するように、また、一等航海士に錨を揚げる準備のために船首配置へ就くようにそれぞれ指示した。
 船長Bは、機関の準備ができてから、錨を揚げたのち、機関を使用して錨地から移動する予定であった。
 船長Bは、01時42分ごろ、A船との距離が0.1Mとなったとき、機関の準備ができたので、機関を使用し、微速力前進と停止を繰り返しながら、錨の巻き揚げを開始した。
 船長Bは、01時48分ごろ、B船一等航海士から「残り2節となったが、錨鎖が球状船首部に絡み、これ以上巻き揚げられない」との報告を受け、機関を微速力前進にかけ、時々、停止として船位を保とうとしたが、走錨が続いた。
 B船は、風浪によって圧流され、01時58分ごろ、大分港日吉原泊地東防波堤灯台から049°1,900m付近において、B船の右舷船首外板部とA船の船首部とが衝突した。
 B船は、A船と衝突を繰り返したのち、02時12分ごろA船から離れていった。
原因  本事故は、夜間、A船及びB船が、共に大分港日吉原泊地北東方沖で単錨泊中、B船が、走錨したため、風下のA船に向けて圧流され、両船が衝突したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 なし
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。