JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2013-8
発生年月日 2012年07月24日
事故等種類 衝突
事故等名 漁船第三十七大濵丸漁船第七十八長生丸衝突
発生場所 青森県八戸市八戸港第3区 八戸港白銀西防波堤東灯台から真方位003°1,070m付近
管轄部署 仙台事務所
人の死傷 負傷
船舶種類 漁船:漁船
総トン数 200~500t未満:5~20t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2013年08月30日
概要  A船は、船長A及び甲板員Aほか9人が乗り組み、青森県六ヶ所村むつ小川原港の東方沖で巻き網漁の操業を終え、船長A及び甲板員Aが船橋当直に就き、法定灯火を表示し、3海里(M)及び6Mレンジとしたレーダー2台を作動させ、約14ノット(kn)の速力(対地速力、以下同じ。)として自動操舵で南進した。
 甲板員Aは、八戸港への入港が間近になったので、水揚げの準備を行うために降橋した。
 A船は、八戸港の約1.5M沖を航行していたとき、霧のために視界制限状態となり、八戸港の港界を通過後、船長Aは、自動操舵から手動操舵に切り替えるとともに、3M及び6Mレンジとしていたレーダーをそれぞれ0.25M及び0.75Mレンジに切り替え、速力を約7.5knに減速して南進を続けた。
 船長Aは、0.75Mレンジとしていたレーダーを0.5Mレンジに再度切り替え、平成24年7月24日07時04分ごろ、八戸港第3区の中央防波堤と第2中央防波堤の間の水路(以下「本件水路」という。)を航行していたとき、レーダー画面で船首方にB船の映像を認め、船首甲板で作業していた乗組員に船首方の見張りを行うように指示した。
 船長Aは、目視による見張りを続けていたが、衝突の直前、船首楼で見張りを行っていた乗組員から「危ない、危ない、取り舵」と言われ、とっさに左舵一杯としてA船が左回頭を始めたとき、07時05分ごろA船の左舷船首部とB船の左舷船首部とが衝突した。
 船長Aは、衝突後、機関を後進にかけ、A船は、B船を押しながらB船との角度が約90°になった状態で停止した。
 B船は、船長B及び甲板長Bほか2人が乗り組み、法定灯火を表示し、いか一本釣り漁のため、八戸市八戸漁港(舘鼻地区)を離岸した。
 船長Bは、0.25M及び0.75Mレンジとしたレーダー2台を作動させ、約9knの速力として手動操舵で東航路を北西進していた。
 船長Bは、07時03~04分ごろ、周囲の船舶を確認しようとし、0.75Mレンジとしたレーダーを1.5Mレンジに切り替え、レーダー画面で船首方にA船の映像を認めたが、サイドローブによる偽像だと思い、0.75Mレンジに戻したのち、針路を約005°(真方位)として本件水路へ向けて航行した。
 船長Bは、目視による見張りを続け、衝突直前、霧の中から現れたA船の船首部を認め、右舵約5~10°を取ったが、B船とA船とが衝突した。
 B船は、船底部に破口を生じ、浸水して横倒しとなったが、乗組員は、A船からの救助要請を受けて来援した漁船に全員が救助された。
 甲板長Bは、衝突の衝撃で転倒したため、病院へ搬送され、頭部打撲と診断された。
原因  本事故は、霧で視界制限状態となった八戸港第3区において、A船が本件水路を南進中、B船が本件水路に向けて北進中、船長Aが、レーダー画面で船首方にB船の映像を認めたものの、目視による見張りを続け、レーダーによる見張りを行っておらず、また、船長Bが、レーダーで船首方にA船の映像を認めたものの、サイドローブによる偽像だと思い、レーダーによる見張りを行っていなかったため、両船が衝突したことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 負傷:1人(第七十八長生丸甲板長)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。