JSTB 運輸安全委員会

概要

報告書番号 MA2013-8
発生年月日 2012年06月14日
事故等種類 死傷等
事故等名 漁船第百七十二榮寶丸乗組員死亡
発生場所 北海道枝幸町枝幸港北東方沖 枝幸町所在の北見神威岬灯台から真方位071°19.4海里付近
管轄部署 函館事務所
人の死傷 死亡
船舶種類 漁船
総トン数 100~200t未満
報告書(PDF) 公表
公表年月日 2013年08月30日
概要  本船は、沖合底びき網漁に従事するオッタートロール漁船であり、船長及び操機長ほか12人が乗り組み、枝幸港北東方沖の漁場で1回目の揚網作業を始め、操機長が、左舷オッターボードにつながるコンパウンドワイヤロープを左舷ブルワーク上に設置された固定金具に掛け、左舷オッターボードを船尾に固定する作業に当たった。
 左舷オッターボードのリングには、鋼製チェーンが、鋼製チェーンの他端には、シャックルが、シャックルには、両端にアイを設けた長短2本のいずれも直径26mmのコンパウンドワイヤロープがそれぞれつながれていた。
 操機長の行っていた作業は、長い方のコンパウンドワイヤロープ(以下「長ロープ」という。)を固定金具付近にあるアルミニウム合金製の滑車(以下「本件滑車」という。)を介し、その船首方に設置されたホイストウインチから、ブームを通って延びるフックに掛け、ホイストウインチをリモコン操作して長ロープを巻き上げた後、短い方のコンパウンドワイヤロープ(以下「短ロープ」という。)のアイを固定金具に掛けることにより、左舷オッターボードを船尾に固定するものであった。
 本船は、約4.2ノットの対地速力で南進して揚網中、甲板上で作業をしていた船長及び他の乗組員が揚網中の網に注目して船尾に視線を向けていたところ、平成24年6月14日06時50分ごろ、「バキッ」という異音が生じ、続いて船尾のギャロスを越えて操機長が、飛ばされ、右舷船尾方の海上に落下した。
 操舵室で操船及びトロールウインチの操作に当たっていた漁ろう長及び通信長は、ギャロスを越えて飛ばされる操機長を目撃して直ちに停船し、乗組員は、載貨門を開き、鉤付きの棒を使用して海上に仰向けに浮いていた操機長を本船に引き揚げ、心臓マッサージ等の措置を採ったが、操機長は意識不明の状態であり、本船は直ちに最寄りの枝幸港に入港し、操機長は、港で待機中の救急車及びドクターヘリにより、病院に搬送された。
 操機長は、搬送先の病院で死亡が確認され、死因は、胸部打撲のための心臓破裂による出血と検案された。
原因  本事故は、本船が、枝幸港北東方沖で沖合底びき網漁の揚網作業中、操機長が、左舷オッターボードを固定しようとし、長ロープを本件滑車を介してホイストウインチで巻き上げ、短ロープを固定金具に掛ける作業を行っていた際、本件滑車が割損したため、長ロープが跳ね、操機長の胸部に当たったことにより発生したものと考えられる。
死傷者数 死亡:1人(操機長)
勧告・意見
情報提供
動画(MP4)

備考
  • ※船舶事故報告書及び船舶インシデント報告書の様式にはそれぞれ下記のまえがきと参考が記載されていますが、平成25年7月公表分より利用者の便宜を考慮して省略しております。

《船舶事故報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶事故に関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故及び事故に伴い発生した被害の原因を究明し、事故の防止及び被害の軽減に寄与することを目的として行われたものであり、事故の責任を問うために行われたものではない。

《船舶インシデント報告書のまえがき》

本報告書の調査は、本件船舶インシデントに関し、運輸安全委員会設置法に基づき、運輸安全委員会により、船舶事故等の防止に寄与することを目的として行われたものであり、本事案の責任を問うために行われたものではない。

《参考》

報告書の本文中「3 分析」に用いる分析の結果を表す用語は、次のとおりとする。

  1. 断定できる場合は「認められる」
  2. 断定できないが、ほぼ間違いない場合は「推定される」
  3. 可能性が高い場合は「考えられる」
  4. 可能性がある場合は「可能性が考えられる」又は「可能性があると考えられる」
  • ※報告書に勧告等が含まれる場合は、勧告・意見欄に文言が表示されます。クリックすると「勧告・意見・安全勧告」ページが表示されます。
  • ※関係行政機関への情報提供がある場合は、情報提供欄に文言が表示されます。クリックすると「関係行政機関への情報提供」ページが表示されます。
  • ※動画がある場合は、動画欄にタイトルが表示されます。